断水してみてわかったこと

年末年始、ちょっとした手違いから水道が止まった。約二十日間。

変化。

掃除と名のつくものができないので、人も設備も少しづつ汚れてくる。

この「徐々に汚れてくる」加減は、一定の長さの断水を経験しなければ分からなかったことだ。
おいそれと手も洗えない。

基本、トイレが使えないので、就寝前はなるべく水を控える。

終始排泄の心配をしていないといけないので、集中して何かをするということができない。

帰宅時には手に持てるだけのミネラルウオーターを購入。

寒い時期のこと、朝はペットボトルの水を沸かしたお湯をミニタオルにかけて顔を拭く。(ガス、電気は無事。)

できるだけロスがないようにペットボトルの水で手を洗い、使用後は排水口洗浄の為にためておく。

歯磨き後などはこの排水口洗浄が大切だ。二次使用、三次使用と、水を使う順序に自ずと配慮せねばならない。

開栓後、約二十日振りに自宅でシャワーを浴びた。

三重苦のヘレン・ケラーが初めて水の概念を悟った時のような衝撃を感じたと言えば大袈裟だが、歓びのあまり何度も叫ばずにいられなかった。

かくも水というものは大切なものだ。

普段あまりにも無頓着を使っていたので貴重な体験であった。

投稿者: izumi noguchi

野口泉 オイリュトミスト 武蔵野美術大学映像学科卒。 2002年より舞踏家笠井叡に師事、オイリュトミーを学ぶ。オイリュトミーシューレ天使館第三期及び舞台活動専門クラスを経て、愛知万博「UZUME」(2005)「高橋悠治演奏「フーガの技法とオイリュトミー」(2008、2010)、「ハヤサスラヒメ」(2012)、「蝶たちのコロナ」(2013、2014)、「毒と劔」(2015) など様々な公演に出演。放射能からいのちを守る山梨ネットワークいのち・むすびばとの共同公演「アシタノクニ」や、仙台・月のピトゥリとの人形劇(正確には”にんぎゃうじゃうるり”)「きつねおくさまの!ごけっこん」(2014)、シュタイナー農法研究会(「種まきカレンダーを読み解く」2014)などを開催。近年はシュタイナー系の幼稚園で幼児教育に関わる。また各地でオイリュトミーワークショップを行う。オイリュトミーに関わるイベントを企画する「レムニスカート」を主宰。

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