『angry12』red

 8月25日 劇場下見の後、久しぶりにお芝居を見に行く。『angry12』red 。出演者全て女性というのがred組。シドニー・ルメット監督の映画版『12人の怒れる男』を以前に見ていたので内容は知っていたが、やはり目の前で白熱の演技を繰り広げられると感動する。20代から4、50代(?)までの12人の女性たちの競演は見応えがあった。
 
 お芝居は人間の日常の動作が元になっているから、その役者さんの人間的な魅力がそのまま出る。舞台上の動作の全てを魅せなけらばならないのでキリがない鍛錬が必要なのだと思うと、演劇の舞台への興味は尽きない。また、通る声、通らない声、響く声、響かない声と、そのどれもが聞いていて役者さん一人一人への人間的な興味を惹かれる。

 会場のシアター風姿花伝は普段利用しない地下鉄エリアにあり、東西線落合から歩いて20分ほど。夕方行き帰りを久しぶりに3キロ程度を気分良く歩いた。帰宅途中のサラリーマンが立体交差の橋の上で朧月を見上げていた。まだ蒸し暑さの残る夜、缶ビール片手に月見をしている人を見ながら、芸術は生活と切り離せないことを改めて思う。

 

若者たち

 スーザン・バーレイ さく・え の『わすれられないおくりもの』という絵本を読んだ。
若者を見るだけで老人は元気が出るものなのだ、ということが最近分かってきた。

 若さというものはそれだけで人にエネルギーを与えることができるし、芸術作品になり得る。また商品にもなり得る。

 年齢を重ね自由になる部分と不自由になる部分がある。

 夏がそろそろ終わります。

バティック『YSee』

 8月22日 こうもりクラブの打ち合わせと稽古の後、神楽坂セッションハウスへ黒田育世さん振付演出の『YSee』を見る。
 どの作品も洒落ていて、それでいて本気度がすごくて素晴らしく美しかった。ジョアンナ・ニューサムの歌詞世界を知っていたらもっとわかるところがあったのかも。2作品目のハープがとても美しかった。
 4作品目の群舞で、一人が踊り始めてそれにつられて皆が踊りはじめる祝祭的なシーンで思わず涙が出る。自分はこういうシーンで感動するんだな、と発見した。

『田舎司祭の日記』をスクリーンで!

 6月7月と気になっていたけど稽古がつまっていて行けてなかったロベール・ブレッソン監督の『田舎司祭の日記』、まだやっていてやっと見ることができた。

日本では70年の時を経ての初劇場公開とのこと。見るのは20年ぶりくらいぶりだが当時と受けた印象が全く違った。

 新任司祭が村人にひたすら酷い目に遭う映画だと思っていたが、案外そうでもなく、司祭は自らも信仰に迷いながらもしっかりと司祭の言葉で人を救っていた。誤解を受けても弁解せず、窮地に立たされても甘んじでそれを受け入れる姿勢にやきもきしながらも深く感動。

 第二次世界大戦終結後間もない1950年に作られたこの映画の中で「神など信じない、むしろ憎しみの対象だ」という村人たちの姿勢はそのまま当時の空気感を反映しているようだ。映画が始まると、70年前の風景と人、そのみずみずしさがリアルに蘇ってくる。 
 
 2013年公開の『プリズナーズ』(監督ドゥニ・ヴィルヌーヴ)という映画でも同様の”神に唾する”人物たちが描かれているが、時代の表現はどんどんヒリヒリとしたものになっている。しかしこちらの映画もかなり興味深かった。見るのは辛いが…

 胃を病み弱り果てた体で村人たちと向き合い続けた司祭の最期の言葉には本当に驚いた!