糸あやつり人形一糸座の『風神雷神図』を見てきました。まずあやつり人形のつり糸の多さに驚きました。
恥ずかしながらあやつり人形の糸って5本くらいだと思っていました。これだけの本数があると、人間の出演者の上にも当然糸を探してしまう自分がいました。
人間にとっての糸とは、駄洒落になってしまいますが、つまり意図、意思だと思うのですが、それを形成するさらにその上の糸もあるわけです。
小松亨さんの演じる九相にはその糸がないわけで、そういう意味でも特別な存在でした。
ちなみに九相図とはこちらのサイトをどうぞ。
私が行った11月6日夜の回はシニア層の観客が多かったです。
その方達に冒頭のかなり強いストロボがあたって横尾忠則さんの夢絵日記みたいにコントラスト強めになってしまっている光景が、全体を通して一番衝撃だったかも知れません。
大丈夫だったかな。
こないだ見た佐々木敦さん演出の『だれか、来る』でも同じく強い光と音の場面がありましたが、その時は帰宅するまで心拍がずれた感じがして具合悪くなってしまいました。
光や音で身体的な影響が懸念される演出事前には事前の説明があるのですが、それでも今後はテクノロジーを駆使した作品が増えてくると思うので、自分で注意した方が良さそうです。
今回の公演の灰野敬二さんの音楽は比較的大きい音ではありましたが非常に優しく感じました。
糸あやつり人形の魅力にたくさん触れることができました。足音や関節のコトコトという音がすごく可愛い。箒おばさんたちがジブリかメルヘンの世界から飛び出してきたようです。そして虫の動きと造形も素晴らしかった。(しでむしの内側の羽の震え、うじの動きのユーモラスさ、ちょうちょの仕掛けのシンプルさ、動きの美しさなどなど)
映画『国宝』で国宝役だった田中泯さんの時も思いましたが、江戸伝内さんのお辞儀の初動の何気なさがすごく粋でした。
全然関係ないですが、松本俊夫監督の『修羅』を久しぶりに見たくなりました。
DEMONS (1971) AKA SHURA – Toshio Matsumoto 4k exclusive full movie
なんとー!すごく綺麗な映像でyoutubeで見れました。良い時代ですね。盟三五大切(かみかけて さんご たいせつ)という歌舞伎演目が元になっている面白い作品です。
さて、東京の街はどこも外国人観光客の皆さんが多く、赤坂レッドシアターの周辺でも、みなさん珍しそうに買い物や街並みを楽しんでいらっしゃいます。
円安、物価高で生活は大変ですがせっかくの機会、日本の歴史や文化をたくさん知っていただきたいものです。

































