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こちらはオイリュトミスト 野口泉のページです
人間は生きているだけで十分しごとをしているという気分をサイトのタイトルに込めました

巨大なリズムの中で

人間が1分間にほぼ18回の呼吸をすると言う事実の重要性に目を向けてください。

人間は4分間で何度呼吸するでしょうか。18 × 4、すなわち72回です。

人間はいちにちに何回呼吸するでしょうか。

18 × 60 × 24ですから、25,920回です。

けれども、このことは次のようにも計算できます。

私たちは4分間にする呼吸の数を取り上げました。つまり72回です。

ですから18 ×60 × 24としないで、72(4分間の呼吸数) × 6 × 60、つまり360という数を4分間の呼吸の数(72)と掛け合わせても、同じように25,920と言う1日の呼吸数を得ることができます。

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つまり72 × 360です。ですから、次のように言うことができます。4分間の間に吸ったり吐いたりする呼吸のプロセスは、いわば1日を1年としたときの小さな1日のプロセスである、と。

24時間という一日の時間は、4分間の呼吸を一日分とみなしたときの1年分なのです。

さて、皆さんはここで人間の最も大規模な呼吸のプロセス、つまり目覚める事と眠ることの繰り返しを考えてください。一体、目覚める事と眠る事は本質的に何を意味するのでしょうか。それは吐くことと吸うことを意味します。

私たちは自我とアストラル体を眠る際に吐き出します。そしてそれらを目覚める時に吸いこむのです。このことを24時間ごとに1回行っています。

この一日のリズムを1年に直すためには360倍する必要があります。つまり1年の過程で、ちょうど1日の過程で小さく呼吸するのと似たことが行われるのです。

1日は4分間の360倍です。私たちが1年間に行う眠りと目覚めの繰り返しに、私たちの平均寿命、つまり72をかけますと、私たちは再び同じ25,920と言う数を持つことになります。

ですから私たちは常に二重の呼吸の仕方を持っているといえます。4分間に72回、そして1日に25,920回行う呼吸と、1年間に360回、平均寿命において25,920回行う眠りと目覚めです。

さらに私たちは、第三の呼吸をしています。それは、太陽の運行です。

太陽が春分の日に登ってくる起点を、1年ごとに少しずつずらしていく、ということを皆さんはご存知だと思います。

そして太陽は25,920年経過しますと、黄道全体を逆回りに一周するのです。それ故ここでもまた25,920と言う数が宇宙年として考えられます。

この点にも私たちの人生と大宇宙との関わりが示されています。

私たちは平均して72年生きています。この数を1日の数に直すために360倍いたしますと、25,920という数を得ます。

そしていわゆるプラトン年、太陽の宇宙周期も25920年でした。

私たち人間の呼吸も一日に25,920回繰り返します。

それ故私たちの人生の1日と全生涯とが、宇宙全体の1年と同じ数の繰り返しをしているのです。

私たちの人生は大きな宇宙的な経過の、最も小さな単位での模造なのです。

さらに注意深く観察してみますと、このプラトン年は、このプラトン年間に行われている事柄は、太古の土星紀から太陽紀、月紀、地球紀などを経て、ついにヴルカン紀にまで続くところの宇宙全体の経過の1つの模造であることに気がつきます。

そして今述べたすべての経過は、25,920の数に従った呼吸のプロセスとして関連付けられるのです。

そして私たちにとって目覚めから眠りに至る時間に演じられている事柄の中に、月紀に演じられていた事柄が、地球紀に演じられている事柄が、木星紀に演じられるであろう事柄が、それぞれ表現されているのです。

そのことは私たちがこの地球以外の世界の住人でもあることを表現しています。

そして私たちの最も小さな単位の呼吸の経過、すなわち4分間に演じられる事柄の中に、私たちを地上界の人間にする力が働いているのです。

ですから次のように言うことができます。私たちは、私たちの呼吸のプロセスを通してこの世の人間なのであり、目覚めと眠りとの交代を通して月紀と地球紀と木星紀の人間なのである、と。

また私たちは私たちの生活を通して宇宙年の経過の中に組み入れられており、それによって宇宙人間なのである、と。

全太陽系の宇宙的な生涯にとっての1呼吸は、私たちの存在の1日です。

そして私たちの72年の生涯は、太陽系を器官として持っている所の存在にとっての1日なのです。

私たち人間がごく限定された存在なのだと言う幻想を超えて、(人間とは何なのか)を理解しようとするならば、人間存在を1つの宇宙事象として把握しなければなりません。

それは現実に存在している人つの宇宙的な経過なのです。

そのことがわかれば「私自身は宇宙の1つの呼吸である」と、皆さんは言うことができるようになると思います。

皆さんが理屈はともあれ、以上の点を1つの事実として聞いたことが自分にとって必要なことだった、と考えてくださるなら、そして一人ひとりの人間存在の中に秘密に満ちて表現されているものを限りなくを敬いたいという感情そこから取り出してくださるなら、この感情は皆さんの中で濃縮して、授業や教育の根底に存在すべき何かになるのです。

「ルドルフ・シュタイナー教育講座2 教育芸術1 方法論と教授法」(筑摩書房)より

 実際に25,920という数字にこだわるいうより、巨大な一定のリズムの中に人間が存在しているということが腑に落ちる記述です。自分で測ってみても一分間の呼吸数はおよそ18回、それを1日の呼吸数に換算すると25,920回。太陽が黄道十二宮を一周するのが25,920年。一分間の脈拍はおよそ72回。呼吸の18回と脈拍の72回の対比は1:4。4つ打ちのリズムに馴染みを感じること。春夏秋冬が一年の四要素であることなど4というリズムがからだに刻み込まれている。

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