主人公のセオ・クレイは一風変わった生物学者。
自然の植生を観察しつつ、自分で作った解析アプリを使って膨大なデータを読み解く。その方法が想像の斜め上を行く面白さだ。
バランスを欠いた自閉症気味の主人公は、自分の興味を引く分野に集中すると様子がおかしくなる。殺人事件の調査中でも、あまりの怪しさに自分が職質されてしまうという有様だ。
そんなコミュニケーション的にはバランスが悪いが、圧倒的な知識で最新機器を使いこなし情報処理能力は驚異的、というタイプに現代のヒーロー象を感じて目が離せない。
著者のアンドリュー・メインのプロフィールが「マジシャン、イリュージョン・デザイナー、作家」となっているのも興味深い所である。
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投稿者: izumi noguchi
野口泉
オイリュトミスト
武蔵野美術大学映像学科卒。
2002年より舞踏家笠井叡に師事、オイリュトミーを学ぶ。オイリュトミーシューレ天使館第三期及び舞台活動専門クラスを経て、愛知万博「UZUME」(2005)「高橋悠治演奏「フーガの技法とオイリュトミー」(2008、2010)、「ハヤサスラヒメ」(2012)、「蝶たちのコロナ」(2013、2014)、「毒と劔」(2015) など様々な公演に出演。放射能からいのちを守る山梨ネットワークいのち・むすびばとの共同公演「アシタノクニ」や、仙台・月のピトゥリとの人形劇(正確には”にんぎゃうじゃうるり”)「きつねおくさまの!ごけっこん」(2014)、シュタイナー農法研究会(「種まきカレンダーを読み解く」2014)などを開催。近年はシュタイナー系の幼稚園で幼児教育に関わる。また各地でオイリュトミーワークショップを行う。オイリュトミーに関わるイベントを企画する「レムニスカート」を主宰。 izumi noguchi のすべての投稿を表示