香りの王様

電動ブレンダーに入れる前に大体の大きさを均一にする

スパイスカレー作りにはまっています。

手前の緑のさやと黒い中身のものは、香りの王様と言われているホールのカルダモン。


レイモンド・チャンドラーの『さらば愛しき女よ』(ハヤカワ文庫)で、主人公の探偵フィリップ・マーロウが、悪徳警察署長と互いの腹の内を探り合うスリリングな会話のシーンで、お酒と共にカルダモンが登場します。


私たちは飲んだ彼はしょうずくの実をいくつか割り、私たちはお互いの眼を見つめながら、黙ってその実を噛んだ。

この「しょうずく」というのがカルダモンのことです。
8世紀頃にバイキングたちがトルコからこの実を欧米に運んだのだそうです。

お酒や食事の匂いを消すために食後にこの実を噛む習慣もあるらしく、『さらば愛しき女よ』の中では、酒のつまみというよりも匂い消しとして使われているのですね。
だって場面は昼下がりの警察署長室ですから!

カレーを作るときは電動式のブレンダーでガーッとやるのですが、こないだ少量をすりつぶしてみたら電動に比べてものすごく良い香り。


電動ブレンダーは便利だけれど、時にはゆっくり香りを立たせてみたいものです。
やはりすりこぎとすり鉢が欲しくなって来ました。

投稿者: izumi noguchi

野口泉 オイリュトミスト 武蔵野美術大学映像学科卒。 2002年より舞踏家笠井叡に師事、オイリュトミーを学ぶ。オイリュトミーシューレ天使館第三期及び舞台活動専門クラスを経て、愛知万博「UZUME」(2005)「高橋悠治演奏「フーガの技法とオイリュトミー」(2008、2010)、「ハヤサスラヒメ」(2012)、「蝶たちのコロナ」(2013、2014)、「毒と劔」(2015) など様々な公演に出演。放射能からいのちを守る山梨ネットワークいのち・むすびばとの共同公演「アシタノクニ」や、仙台・月のピトゥリとの人形劇(正確には”にんぎゃうじゃうるり”)「きつねおくさまの!ごけっこん」(2014)、シュタイナー農法研究会(「種まきカレンダーを読み解く」2014)などを開催。近年はシュタイナー系の幼稚園で幼児教育に関わる。また各地でオイリュトミーワークショップを行う。オイリュトミーに関わるイベントを企画する「レムニスカート」を主宰。