三光院の精進料理

小金井市の三光院で精進料理をいただきました。

京都・嵯峨野に竹之御所と称される尼門跡寺院「曇華院」で、代々ご門跡になられた天皇家の皇女様が日々召しあがる尼寺料理として室町時代から600年余にわたり受け継がれてまいりました。

宮中の雅と禅の心が一体となった、この竹之御所独自の精進料理を武蔵野の地に根付かせたのが、曇華院から当院の住職になられた祖栄禅尼でございます。いらい八十余年、国際化を進められた二代目の香栄禅尼、師資相承の奥義を究めた唯一人の後継者・香春へと三代にわたって守り続けております。

簡素ながら、気品ある華やかさをまとった、旬の食材の風味あふれる竹之御所流精進料理をご賞味いただけるのは、いまや当院をのぞいて他にはございません。

最初にパリパリの最中とお薄が出ました。

パリパリ最中はパリパリのうちに急いで食べてしまったので写真はありません。

最後のすすり茶。蓋をずらして「葉っぱが出ないように最後の一滴まで天井を見上げて飲んで大丈夫です!」と説明があります。ほっ。

このような器で、玉露の香りが逃げないようにすするので、「すすり茶」と言うそうです。「ぜひお茶っぱも召し上がってみてください」と言って下さいます。はい、いただきます。

せりと切り干し大根の胡麻和え。盛り付けに心躍ります。

お豆腐は「腐」が忌み言葉にあたるとのことで「おかべ」(壁のイメージ)の別名があるとのこと。

3月ということで菜の花の巻寿司もありました。お寿司を「おすもじ」と呼ぶのも素敵です。

生姜が桜の花弁に見立てられていました。

季節感をふんだんに感じられ、空間ごと、空気ごと、味わいとともに思い出に刻まれた食事の時間となりました。

小さい頃、祖母が近所のよもぎをつんで持ち帰り、すぐにお餅にしてくれたことを思い出します。

その時の情景も空気ごと覚えています。

四季の変化とともに味覚の記憶が紡がれていきます。

投稿者: izumi noguchi

野口泉 オイリュトミスト 武蔵野美術大学映像学科卒。 2002年より舞踏家笠井叡に師事、オイリュトミーを学ぶ。オイリュトミーシューレ天使館第三期及び舞台活動専門クラスを経て、愛知万博「UZUME」(2005)「高橋悠治演奏「フーガの技法とオイリュトミー」(2008、2010)、「ハヤサスラヒメ」(2012)、「蝶たちのコロナ」(2013、2014)、「毒と劔」(2015) など様々な公演に出演。放射能からいのちを守る山梨ネットワークいのち・むすびばとの共同公演「アシタノクニ」や、仙台・月のピトゥリとの人形劇(正確には”にんぎゃうじゃうるり”)「きつねおくさまの!ごけっこん」(2014)、シュタイナー農法研究会(「種まきカレンダーを読み解く」2014)などを開催。近年はシュタイナー系の幼稚園で幼児教育に関わる。また各地でオイリュトミーワークショップを行う。オイリュトミーに関わるイベントを企画する「レムニスカート」を主宰。