停滞と移動

ちょうど十年住んだ部屋。

ここで十年間を過ごしたことが信じられない。

その間、私はいくつか仕事を変わり、夜はほぼ稽古という日々。

2011年の東日本大震災はその中でも大きい出来事だった。

震災前、すぐそこの通りを歩いていたときの身体感覚を覚えている。

ただひたすらぼんやりしていた。

所与のものをただあたりまえの権利として、否、権利としてさえ認識しないままに受け取り、疑問も感謝の念も持つことのない無関心さ、あるいは天真爛漫さ。

未来への漠然とした欲求、そしてその欲求が漠然としていることへの不安。

自分とも他者とも関係性が薄く、己の傲慢さにすら鈍感。

それを恥ずかしく思えるくらいには成長したのかもしれない。

2018年末はボヘミアン・ラプソディー

クリスマスは映画館で『ボヘミアン・ラプソディー』を楽しみました。

マーク・マイヤーズのカメオ出演、どこに出ているのか全くわからず。あとで検索して「こりゃ無理だ。」となりました。あまりに変装が巧すぎる。

『ウェインズ・ワールド』でボヘミアン・ラプソディーを知った者からすると、夢を持った若者が管理職へと変貌を遂げるドラマも見応えがありました。

『ウェインズ・ワールド』ファンにはこのカメオ出演はやっぱり嬉しいですよね。

生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者

主人公のセオ・クレイは一風変わった生物学者。

自然の植生を観察しつつ、自分で作った解析アプリを使って膨大なデータを読み解く。その方法が想像の斜め上を行く面白さだ。

バランスを欠いた自閉症気味の主人公は、自分の興味を引く分野に集中すると様子がおかしくなる。殺人事件の調査中でも、あまりの怪しさに自分が職質されてしまうという有様だ。

そんなコミュニケーション的にはバランスが悪いが、圧倒的な知識で最新機器を使いこなし情報処理能力は驚異的、というタイプに現代のヒーロー象を感じて目が離せない。

著者のアンドリュー・メインのプロフィールが「マジシャン、イリュージョン・デザイナー、作家」となっているのも興味深い所である。

断水してみてわかったこと

年末年始、ちょっとした手違いから水道が止まった。約二十日間。

変化。

掃除と名のつくものができないので、人も設備も少しづつ汚れてくる。

この「徐々に汚れてくる」加減は、一定の長さの断水を経験しなければ分からなかったことだ。
おいそれと手も洗えない。

基本、トイレが使えないので、就寝前はなるべく水を控える。

終始排泄の心配をしていないといけないので、集中して何かをするということができない。

帰宅時には手に持てるだけのミネラルウオーターを購入。

寒い時期のこと、朝はペットボトルの水を沸かしたお湯をミニタオルにかけて顔を拭く。(ガス、電気は無事。)

できるだけロスがないようにペットボトルの水で手を洗い、使用後は排水口洗浄の為にためておく。

歯磨き後などはこの排水口洗浄が大切だ。二次使用、三次使用と、水を使う順序に自ずと配慮せねばならない。

開栓後、約二十日振りに自宅でシャワーを浴びた。

三重苦のヘレン・ケラーが初めて水の概念を悟った時のような衝撃を感じたと言えば大袈裟だが、歓びのあまり何度も叫ばずにいられなかった。

かくも水というものは大切なものだ。

普段あまりにも無頓着を使っていたので貴重な体験であった。

晩酌の効用

私は一人のときは、お酒をほぼ飲まなかった。酔うと本が読めなくなるので。

飲酒して酩酊する時間など無駄、とさえ思っていた。

しかし、最近は時間と体調が許せば毎日飲むようにしている。

なぜかというと、毎日必ず晩酌をするという友人が言っていたことが気になったからである。

日々、仕事の帰り道に「このお酒にはこのおつまみが合う」などど考えながら買い物をするのが楽しいそうなのだ。

感動した。

これは自分になかった視点だ。

ある一点からの景色を見て、その他を無駄と切り捨てていた自分の未熟さを恥じた。

人間の文化はことごとく芸術なのだ。

しかし自分はけっこうな量を飲んでも酔わない。

綿毛のように

 今年のクリスマスイブは、甥っ子二人を連れ、近くの国営公園へ行きました。

たんぽぽの回転する綿毛さながら走る子供たちを見て、いいものだ、としみじみ思いました。

大切なのはセンス・オブ・ワンダー、驚ける感性。初めて出会うように、毎朝、自分と、世界と出会いたい。

楽しくて笑いが止まらない、思わず走り出してしまう、そんな子供たちを見ていると人間の性善説を信じることができます。

すべての見えない光

本当に恐ろしい描写ほどさりげないものだ。

やり切れない、恐ろしい描写を読んだあとは、本を閉じて眠りに落ちると夢でうなされる。

このような部分。

“ここでは、囚人達は、町を直撃する砲弾の音を聞くよりも前に目で見る。前回の戦争中、エティエンヌの知る砲兵たちは、双眼鏡を覗き込み、空に上がる色で、自分たちの放った砲弾による被害を見てとることができた。灰色は石。茶色は土。ピンク色は肉体。”

また、以下の部分には非常に感銘を受けた。

“彼はツォルフェアアインで見た、老いて打ちひしがれた坑夫ことを思う。椅子や木箱に腰かけたまま、何時間も動かず、死にたいと思っている男たち。そんな男たちにとって、時間とは、うんざりする余剰でしかなく、樽から水がゆっくり抜けて行くの見つめるようなものだ。だが実際には、時間とは自分の両手ですくって運んでいく輝く水たまりだ。そう彼は思う。力を振りしぼって守るべきものだ。そのために闘うべきものだ。一滴たりとも落とさないように、精一杯努力すべきだ。”

“空気は生きたすべての生命、発せられたすべての文章の書庫にして記録であり、 送信されたすべての言葉が、その内側でこだましつづけているのだとしたら。

 彼女は思う。一時間が過ぎるごとに、戦争の記憶を持つだれかが、世界から落ちて消えていく。

 わたしたちは、草になってまた立ち上がる。 花になって。歌になって。”

アンソニー・ドーアの『すべての見えない光』 より

でかいメガネ

2000年にイメージフォーラムフェスティバルで大賞を受賞した坪田義史監督の『でかいメガネ』、私は学生時代にこの映画に出演というかたちで協力しました。今回、坪田義史監督の新作ドキュメンタリー映画『だってしょうがないじゃない』が公開されており、その関連イベントで20年ぶりにこの作品が一日だけポレポレ東中野の階上のスペース&カフェ ポレポレ座で上映されました。

映画『許されざる者』の冒頭で、貧しいながらも平穏な生活を送っていた主人公マーニーは、突然の来客者によって過去の自分の悪業を思い出すことになります。

20年の時を経てスクリーン越しの自分を見ることはそれに似て、かなりの破壊力のある体験となりました。当時の感覚が生々しく蘇り、数日は半身が過去に存在しているかのような幽霊じみた存在になっていたような気がします。

そんな不思議な感覚も現在進行形の関係性の中へ次第に解消していきます。

『てかいメガネ』か時間の流れを逆行させる強い磁力を持った作品であることは間違いありません。

カーアン・ヴァズ・ブルーン&ベニ・ブトカ『誹謗』

やたら強い女やブランド品が沢山出てくる軽快さと、通奏低音のように流れるタイトルの意味の重さが対照的である。

多少流れがいびつになっても売れる本を作ろうという意欲を感じる。受けるネタを詰め込みあくまでも結果を出そうと暴走するストーリーにひっぱられて登場人物が精彩を放つこの感じ、嫌いじゃない。

ドジっ子の主人公もヤキモキするけど嫌いじゃない!

カーアン・ヴァズ・ブルーン&ベニ・ブトカ『誹謗』長谷川圭訳早川書房

IMG_0076.jpeg

南伊豆の海

家族旅行でもう30年ほど通っている南伊豆。長く通っているだけにたくさんの思い出がある。

初めのうちはいろいろな宿に泊まってみたものの、ここ20年ほどは同じ宿に泊まっている。

漁師のお父さんと料理上手のお母さんがいるのでお料理が最高なのだ。

最近では海水浴のシーズンだけでなく秋にも伊勢海老を目当てに出かけることも多い。

家族が減ったり増えたりしても、この海を前にすると故郷に帰ってきたような感覚になる。

12/7(土)ヒンメリワークショップ

前回9月に行いました「カフェ・ヒンメルのお料理とヒンメリ作りの一日」、この度パート2を行うことになりました!

カフェ・ヒンメルは東京国立市で私の妹たちとその友人がやっている小さなカフェです。私はこのカフェでのイベントの一部をオーガナイズしています。

ランチ・テイクアウトのご予約
カフェ・ヒンメル ホームページ ご予約フォームはこちら
☎︎ 090-7849-4408
メール cafehimmel2019@yahoo.co.jp

国立市富士見台3-4-1
国立駅南口矢川行きバス10分芸術小ホール前下車3分スタジオ凛隣
月~土10時〜14時、日定休

ヒンメリワークショップ

第一回目に引き続き、講師は北欧のお菓子や文化に造詣の深い「自然菓子工房roco」の田中浩子先生です。

roco先生の丁寧な指導のもと、手仕事の時間を楽しんでみませんか?
いよいよクリスマスシーズンの到来です。みなさまいかがお過ごしですか?

9月のヒンメリワークショップに次いで今回はヒンメリの6つの基本形のうちの2つ目の型を作ります。

今回初めてご参加の方は1つ目の型から始めます。roco先生の丁寧な解説と、わかりやすい作成図も付いていますので、初心者の方も綺麗な仕上がりのヒンメリを作ることが出来ます。暖かな店内でスペシャルプレートを頂きつつヒンメリ作りはいかがですか?ぜひお気軽にご参加下さい。ちょっとしたクリスマスプレゼントにもおすすめです。

当日はroco先生の作品販売もございます。初心者の方もお気軽にご参加ください。ご予約お待ちしております。

⭐今回も使用する麦わらはroco先生の無農薬自家栽培のもの。品種は「春よ恋」です。ぜひ麦を剥く作業から体験して頂きたいと思います。

cafe himmel presents himmeli workshopのご案内
カフェ・ヒンメルのお料理とヒンメリ作りの一日 part2

2019年12/7(土) 

Lunchtime Workshop     
ランチタイムワークショップ 4,300円           
11:00〜13:30             
クリスマスシェパーズパイプレート  
ヒンメルティーとミニデザート

Cafetime Workshop     
カフェタイムワークショップ 4,000円          15:00~17:30         
焦がしキャラメルのレイヤーケーキプレート 
ヒンメルティー

Bartime Workshop
バータイムワークショップ 4,000円
19:00~21:30
お好きなドリンクとアペタイザー

★キッズコース追加しました! 2,000円 (焼き菓子付き)入退場自由

持ち物    
●ハサミ
●定規(20㎝~30㎝くらいいのものでok)
●ボールペン(ペン先が細いものの方がベター)
●手拭い(布巾など毛羽立っていないものの方がベター)

     

申し込み・お問い合わせ  
cafehimmel2019@yahoo.co.jp 
080-4206-0392

ヒンメリ作り講師  田中浩子(roco)先生

2003年東京杉並区のカフェギャラリー「かりんとう」で料理とスイーツを担当。2005年「自然菓子工房roco」を立ち上げ、企業やカフェ、イベントなどへスイーツを提供しつつ、地方の埋もれた食材にスポットを当てた商品開発なども手掛ける。2013年山梨県甲府市に移住。念願だった小麦栽培を始め、ヒンメリのワークショップ&北欧のお菓子作りなどを「お菓子教室roco」にて展開中!facebook

講師rocoさんにヒンメリの魅力について聞きました

・ヒンメリの魅力とは?

何といっても幾何学模様の造形的な美しさです。さらに光のモビールと言われているように、光に照らされると黄金に輝き、その影もまた幻想的なシルエットを映し出します。風が吹けばまわりだし、また地熱でも動き出し… 空間に一つヒンメリがあるだけで、その場の空気が変わるような気配があります。一本の藁にひもを通して結ぶ行為を繰り返すことによって、人を自然と無心に導き、それが祈りへと続いているように感じます。ヒンメリに調和と神聖さを感じるのはその為かもしれません。ヒンメリを掘り下げていくと、日本のしめ縄文化に通じているとも言われており、遠いフィンランドのヒンメリに魅了されるのは、そういった何か懐かしいような親しみを感じるからではないかと思います。

・ヒンメリ作りに興味を持ったきっかけ

仕事で北欧のお菓子作りを10年くらいやっていた関係で、麦わらで作ったヒンメリに出会い、その造形と光と影の美しさに魅了されました。・ヒンメリ作りで楽しいと感じることは?

ヒンメリは難しいと思われがちですが、基本的な形は単純で、それを組み合わせていく作業なので誰でも作ることができます。繰り返していく作業なので時間はかかりますが、だからこそ完成した時の喜びはひとしおです!一度取り掛かると時間の感覚がなくなり、我を忘れて熱中してしまいます。この感覚を味わいたくてやっているのかもしれません。

cafe himmel 店主junさんに聞きました

・カフェ・ヒンメルとは?

2019年6月に国立谷保エリアにオープンしました。友人と姉と運営しているカフェです。

現在は日替わりランチが中心ですが、今後はモーニングも提供できるよう準備を進めています。ヒンメルのモーニングがなきゃ1日が始まらない、と言っていただけるようになりたいですね。

食材は地元の野菜を多く使い、素材の味を生かせるような味付けにこだわっています。日替りの熟成ラムレーズンケーキやバナナケーキ、スパイスクッキーなどもぜひ食べて頂きたいです。

・ヒンメルの名前の由来は?

アンリ・ルソーの描く楽園のイメージで店名を考えていました。紆余曲折あり、ドイツ語で天を意味するhimmelになりました。ヒンメリも語源は同じと聞き、ご縁を感じています。

前回のワークショップの様子
前回のワークショップ 店内に展示してあるroco先生のヒンメリ作品は購入できます

ぜひヒンメルで、ヒンメリを!!

うなくし 立川


いつもお世話になっている城戸朱理さん、小野田桂子さんに鰻をご馳走になった。城戸さんの若い頃、映画を(主に名画座で)年間180本見ていたこともあったとのこと。今のようにパソコンやタブレット、アイフォンなどあるはずもなく、映画館へ行くのである。学生なのでお金もなく、食費を削って見る。本数を見ているヤツほど日に当たらなくなるのでだんだん青白くなり、最後には皮膚病になる、という話が壮絶だった。私も大学は映像科にいたので、思い出してみるとそんな男子をチラホラ見かけたような気がする。

ダンスブリッジ2019 「声と、踊りと。音読劇場」『アーカーシャのうた』 終演

ダンスブリッジ2019 「声と、踊りと。音読劇場」 ご来場下さいまして誠にありがとうございました。

多くの皆様に力をかりて無事に終演することができました。

「アーカーシャのうた」リハーサルを見て下さったセッションハウスの伊藤孝さんが、1940年12月8日の太平洋戦争開戦のラジオ放送を実際に聞いていた記憶から助言を下さり、定方まことさんがそれをすぐ語りに反映させて、より深い表現となりました。

Noema Noesis ensemble(ノエマノエシスアンサンブル)が歌った素晴らしい曲目の数々はのえのえメンバーの菊地さんの投稿

に詳しく載っていますので是非お読みいただければと思います。

その曲を素晴らしい三線と合唱バージョンに編曲して下さった音楽監督 堅田優衣さんの率いるnoemanoesis(通称のえのえ)。

作品のラストで鯨井絵里加さんの弾く三線で始まる「月ぬかいしゃ」は那覇市を走るゆいレールの駅の発車メロディーにも使われているほどのポピュラーな曲のようです。

本当に繊細な響きの共有をメンバー全員で行なってらっしゃいました。

本番の日、楽屋でメンバーの皆さんが堅田優衣さんのメソッド、ハーモニーを生み出すためのからだ全体と場の調律を行う姿を目の当たりにして心が震えました。 この場に居合わせられたことが私にとって大きなプレゼントを頂いたような気持ちです。

終演後1日経って完全にのえのえ、ハーモニーロスです!まだのえのえを聴いていない方には今後全力でおすすめしていきたいと思います。

衣装は高丘親王航海記でもお世話になった富永美夏さん。生々しくなく嘘っぽくない、絶妙なバランス感覚で登場人物2人の姿を創出して下さいました。
生地選びから始まるイマジネーションの鋭さ、豊かさが作品世界をよりふくらませてくれました。

そして、松本大樹さん率いるmetaの皆さんの作品。

モノトーンの世界観の中でそれぞれのダンサーの身体の経歴、精神性がより際立ち魅入りました。これから作るメルヘンオイリュトミーへの大きなヒントとモチベーションの高まりを頂きました。

今回「アーカーシャのうた」を作りこの演目を踊らせてくれた鯨井謙太郒、この企画を実現させてくれたスタッフの方々と観客の皆さまへ、最大の感謝を贈りたいと思います。

個人的には舞台監督蓮子さんの、踊る指示出しがすごくわかりやすくて新しかったです!!

皆さま本当にありがとうございました!

松本大樹さん率いるmetaの皆さんたちと一緒に…

黒ひげ危機一発

9月17日は「アーカーシャのうた」セッションハウスでのスタッフ見せ通し稽古でした。

終わって深夜の飲み屋さんに入り夕食。

「黒ひげ危機一髪」というゲームご存知でしょうか?私も小学生の頃持っているこの家で遊びましたー!

黒ひげの海賊が首まで入っている樽に短剣を挿していき、

ヒットすると黒ひげの首が飛ぶ、という文字で書くと怖いゲームです。

短剣を刺す穴は20くらいありますが、なんとこれを一発で当てました!

お酒が一杯無料になりました♩

ダンスブリッジ2019声と、踊りと。音読劇場 合同通し稽古

ダンスブリッジ2019 声と、踊りと。音読劇場

公演日時
2019年
9月21日(土)19:00
9月22日(日)13:00/17:00

料金:前売一般3,300円 前売学生2,500円 前売こども1,500円 4回券10,000円 当日+500円

《アーカーシャのうた》
鯨井巖「一学徒兵の北部沖縄戦回想録」

9/21(土)22(日)
神楽坂セッションハウス

構成・振付・出演
鯨井謙太郒

オイリュトミー
野口泉

語り
定方まこと

三線
鯨井絵里加

合唱
Noema Noesis ensemble

音楽監督
堅田優衣

衣裳
富永美夏

今回、松本大樹さん作品とともに上演です。子どもの本は本質に一気に迫るので全編見せ場です。みんなが知ってる話をダンスでこんな見せ方ができるんだー!と度肝を抜かれた通し稽古の本日でした。

「CHILDBOOK」~子どもの本を開こう

『パイドパイパー 』ドイツ民話 脚色岡本直土
『ないたあかおに』(世界文化社)

是非おいでください!

https://session-house.net/db2019-1.html

関連

アーカーシャのうた 9/21〜22

連日、こちらの公演の稽古をしています。

本日は富永美夏さんが出来上がりの衣装を持ってきて下さり、初めて衣装を着けました。

全然違います。
作品の世界観がぐっと拡がりを持ち、また深まります。
さらにイマジネーションの膨らむ舞台になりそうです。ぜひご覧ください。

ダンスブリッジ2019 声と、踊りと。音読劇場

公演日時
2019年
9月21日(土)19:00
9月22日(日)13:00/17:00

料金:前売一般3,300円 前売学生2,500円 前売こども1,500円 4回券10,000円 当日+500円

《アーカーシャのうた》
鯨井巖「一学徒兵の北部沖縄戦回想録」

9/21(土)22(日)
神楽坂セッションハウス

構成・振付・出演
鯨井謙太郒

オイリュトミー
野口泉

語り
定方まこと

三線
鯨井絵里加

合唱
Noema Noesis ensemble

音楽監督
堅田優衣

衣裳
富永美夏


https://session-house.net/db2019-1.html

恋は雨上がりのように

学生時代に比べておもしろい漫画を見つけてくる嗅覚がとんと鈍っています。

最近、仕事先の本屋さん友だちが多ジャンルからセンスの良いものを見繕って読ませてくれるのでとても感謝しています。

今日は「恋は雨上がりのように」読み終えました。

漫画にしかできない飛躍した表現がさりげなくも大胆に構成されていて、思いがけず心の間隙を突かれました。

読み終えた後、私もこの主人公のように、清々しい夏の風の中を走っていけるような気がしました。

芸術はそこに存在しないものをありありと現出させることができる。そんな魔法を、私たちは作品を通して手にしています。

秋はたくさん美術館にいったり読書をしたいものですね!


カフェヒンメルのヒンメリ作りワークショップ

今年の6月に私の妹たちが国立市の南にカフェをオープンしました!

そこで記念すべきカフェイベントの第一弾として、ヒンメリ作りのワークショップが行われます。

ワークショップはランチタイム(おかげさまで満員御礼です!)とカフェタイムの二回。

カフェタイムは2ドリンクと、カフェヒンメルのスペシャリテである熟成ラムケーキ、お土産のお菓子もありとのことです。

本格的なヒンメリ作りの手ほどきを受けながら、カフェヒンメルの美味しいお料理を味わってみませんか?

cafe himmel presents
himmeli workshop
カフェ・ヒンメルのお料理とヒンメリ作りの一日

9/14(土)
lunch time workshop
ランチタイムワークショップ 4,300円
11:00〜13:30
カフェ・ヒンメルのランチ、ドリンク付き →満員御礼!!!!!

cafe time workshop
カフェタイムワークショップ 4,000円
15:00〜17:30
カフェ・ヒンメルのこだわりおやつ、ドリンク付き

持ち物
●ハサミ
●定規(20㎝~30㎝くらいいのものでok)
●ボールペン(ペン先が細いものの方がベター)
●手拭い(布巾など毛羽立っていないものの方がベター)

申し込み・お問い合わせ
cafehimmel2019@yahoo.co.jp
080-4206-0392

cafe himmel
カフェ・ヒンメル
東京都国立市富士見台3-4-1 国立市南口矢川駅行きバス10分 芸術小ホール前下車3分 スタジオ凛となり

ヒンメリ作り 講師 田中浩子(roco)さん

2003年東京杉並区のカフェギャラリー「かりんとう」で料理とスイーツを担当。2005年「自然菓子工房roco」を立ち上げ、企業やカフェ、イベントなどへスイーツを提供しつつ、地方の埋もれた食材にスポットを当てた商品開発なども手掛ける。2013年山梨県甲府市に移住。念願だった小麦栽培を始め、ヒンメリのワークショップ&北欧のお菓子作りなどを「お菓子教室roco」にて展開中!
facebook→お菓子教室roco

講師rocoさんにヒンメリの魅力について聞きました

・ヒンメリの魅力とは?
何といっても幾何学模様の造形的な美しさです。さらに光のモビールと言われているように、光に照らされると黄金に輝き、その影もまた幻想的なシルエットを映し出します。風が吹けばまわりだし、また地熱でも動き出し…空間に一つヒンメリがあるだけで、その場の空気が変わるような気配があります。一本の藁にひもを通して結ぶ行為を繰り返すことによって、人を自然と無心に導き、それが祈りへと続いているように感じます。ヒンメリに調和と神聖さを感じるのはその為かもしれません。ヒンメリを掘り下げていくと、日本のしめ縄文化に通じているとも言われており、遠いフィンランドのヒンメリに魅了されるのは、そういった何か懐かしいような親しみを感じるからではないかと思います。

・ヒンメリ作りに興味を持ったきっかけ
仕事で北欧のお菓子作りを10年くらいやっていた関係で、麦わらで作ったヒンメリに出会い、その造形と光と影の美しさに魅了されました。

・ヒンメリ作りで楽しいと感じることは?
ヒンメリは難しいと思われがちですが、基本的な形は単純で、それを組み合わせていく作業なので誰でも作ることができます。繰り返していく作業なので時間はかかりますが、だからこそ完成した時の喜びはひとしおです!一度取り掛かると時間の感覚がなくなり、我を忘れて熱中してしまいます。この感覚を味わいたくてやっているのかもしれません。

cafe himmel 店主 junさんに聞く

・カフェヒンメルとは?

2019年6月に国立谷保エリアにオープンしました。友人と姉と運営しているカフェです。

現在は週に3回程度のオープンですが、モーニング・ランチ・バータイムと、一日を通してお楽しみ頂ければと思っています。

台湾茶や台湾スイーツ、日替わり
キッシュランチなど、無農薬の地場野菜を使用し、素材の味を生かした料理を心がけております。

中でも熟成ラムケーキは当店自慢の一品。季節ごとのフルーツをラム漬けにしてケーキに練り込み焼き上げます。

最低1週間は寝かせてラムシロップをしみこませた熟成ラムケーキをぜひご賞味ください!

・ヒンメルの名前の由来は?

アンリ・ルソーの描く楽園のイメージで店名を考えていました。
紆余曲折あり、ドイツ語で天を意味するhimmelになりました。
ヒンメリも語源は同じと聞きご縁を感じています。
ぜひヒンメルで、ヒンメリを!!


台風の被害

一昨日の台風で千葉の被害が大きいらしい。 2日経っても水や電気が復旧していない地域があるようだ。

健常者はもちろんのこと、難病の方、体力のない高齢者にとっては命に関わる大問題だ。

必要不可欠な機器の電力供給が絶たれることは最悪の事態を招きかねない。

実際今日の高温で熱中症で亡くなってしまった方もいる。

2020年から5Gへの移行が本格化するにつれ、私たちの生活は今までにないほど便利になり、寿命も延びる。


ゲームや動画視聴などの娯楽も増える。

しかし動力源はすべて電気なので、消費電力が爆発的に増えることになる。

楽しく便利な世界だけがフィーチャーされているけれど、エネルギー問題はどうシュミレートされているのだろうか。

電力によって生命が繋がれていることを災害時に痛感せざるを得ない。

早くライフラインが復活しますように!

「神々の残照」 オイリュトミー群舞を振り返って

5月25日、国立劇場5月特別企画公演 「神々の残照」が終わりました。

コンテンポラリーダンス「マーラー作曲〈交響曲第五番〉と群読による古事記祝典舞踊『いのちの海の声が聴こえる』」

こちらの演目にペルセパッサ・オイリュトミー団の一員として出演させていただきました。

オイリュトミーは、マーラー作曲「交響曲第五番 第一、二、四楽章」を19人で踊るというものでした。約40分の長丁場です。

稽古期間は約半年間。私は一月の「高丘親王航海記」公演後に稽古に参加したので、ほぼ五ヶ月間の稽古を経ての本番でした。

作品を立ち上げる

まず、まったく白紙の状態から、各楽章の担当作成者がフォルムを立ち上げます。「フォルム」とは、オイリュトミーの足運びの地図のようなものです。

それを見ながら曲に合わせて動いて行きます。動いてみながらフォルムに修正を加えるなど調整しつつ何度も練習します。

この、行きつ戻りつの繰り返しのなかで、自然と長い曲、難解な曲もからだに入ってきます。

その後の段階で、音程、旋律、和音など、上半身で表現する動きを決めていきます。ここでも足の動きとのバランスを見ながら、さらに調整を加えながら練習を繰り返します。

19人の大群舞

今回はオイリュトミスト総勢19名。同じ音を聴いても感じかたは人それぞれ。メソッドを共有しているオイリュトミスト同志でも、各々の感性によってまったく違う表現になります。

もちろんソロ作品の場合はそれぞれの個性を深めていけば良いと思いますが、群舞ではそうも行きません。

群舞としての表現を高めていくには動きを揃えていく練習も重要になってきます。

その時に、「自分の感じ方」のみが正しいと思っているとなかなか上手くいきません。感じ方に正しいも何もないので当然なのですが、自分の性格上、そう思ってしまうことがしばしばあります。

群舞の稽古で大切なのは、自分の感性に安住せず、他者の動きをよく見て受け入れること。そうすることで、結果的に集団の力を引きだし、新たな自分との出会いにも繋がっていきます。

他者への尊敬と信頼を持って動くこと。今回の稽古期間ではそれを学ばせていただきました。

ご来場下さいました皆様、誠にありがとうございました。

そういえば、、、

酒井はなさんがオイリュトミーの動きを気に入ってくださったのか、たくさん二度とオクターヴ(八度)のインターヴァルを真似してくれたのが嬉しかった!というか超絶的に美しかったです。

ムーンライト ロケーションがすごい

ムーンライト

とにかくロケーションだけでも見る価値がある

一番初めのシーンで緊迫感がすごい。なんとも言えない、悲しい、荒廃した、しかし神々しい風景が一気にこの映画にのめり込ませる。また前半の子供が隠れる中途半端な廃墟の部屋のリアリティもすごい。

監督のバリー・ジェンキンスと原作のタレル・アルヴィン・マクレイニーが幼少時代を過ごしたマイアミの貧困地区リバティースクエアで撮影されている。

光と緑溢れるマイアミを舞台に、居場所を求める孤独な少年の成長を描く『ムーンライト』の世界│NYタイムズ動画+記事

  作られた空間ではないリアリティ、空気が濃いのに通り感、抜け感があり、誰かの大事なプライベートな空間であることが伝わって来る。

主人公の成長に合わせて3部構成となっていう今作だが、最初の幼児期が最もリアリズムに支配された心に刺さりまくる描写が多く、成長につれてファンタジーの度合いが強烈に濃くなる。後半の展開についていけない人はついていけないかもしれない。

しかしこの映画にはこの構成が最高に生きている。なぜなら前半の子供時代があまりにもつらいからだ。

 ロケーションの素晴らしさとこの構成の妙が故に大好きな映画だ。一生に一度見れば何かが変わる映画。しょっちゅう見れるものではない。一人の夜に号泣できる環境を作ってから見てほしい!!

ポイント

・なんども言うけどロケーションがすごい

リアリティとファンタジーの綴れ織りのセンスがすごい

美味しそうなものが出てきます。

色へのこだわりがすごい 詳しくは→ 町山智浩 映画『ムーンライト』を語る

監督:バリー・ジェンキンス 脚本:バリー・ジェンキンス 原作/原案:タレル・アルヴィン・マクレイニー 2016年アメリカ映画 出演:トレヴァンテ・ローズ アンドレ・ホランド ジャネール・モネイ アシュトン・サンダーズ ナオミ・ハリス マハーシャラ・アリ 他

世田谷パブリックシアター「高丘親王航海記」終演

年が明けてから京都で一週間、そして世田谷での数日間、夢の世界の住人でした。

舞台袖から出番を待つダンサーと、装置の移動や各種合図を送るスタッフの皆さんがそれぞれの定位置でスタンバイしているのが見え、

全てがとどこおりなく進行し、舞台に関わっている全員が自分の仕事を全うしている光景がとても美しかった。

 公演本番はもちろんですが、ご一緒させていただいたダンサーの皆さんが、踊りへどう向き合って来られたかが、リハーサルや劇場入りしてからの過ごし方のはしばしから伺えて感動しました。とても得難い経験をさせいていただき感謝です。

 

天井が素敵な世田谷パブリックシアター
京都ロームシアターから世田谷に運ばれる虎

世田谷パブリックシアターに向かう途中、何気なく考えごとをしていました。記憶と存在についてです。

例えば亡くなった人の思い出が薄れていくことを寂しいと感じたり、自分を薄情だと思ったりする感情があります。

ですが、もしかしたら「思い出が薄れていく」という視点は単なる言い方の問題であり、実は故人が個であることをやめて、太陽の光や、水や空気などの、いわば記憶という人間特有の時間軸から解放された存在となることだと捉えることもできる。

そこにあることが普通すぎて、別段気にもかけないようなものにこそ自分は絶対的に恩恵を受けているのだと思います。

時間から解放された死者たちの記憶によって成り立っている、この世界の不可視な部分。今回オイリュトミーでは水、風、火をモチーフにしたシーンがありましたが、そんなことも考えながら努めさせていだきました。

ご来場下さいました皆様、誠にありがとうございました。

バティックさんとの楽屋が楽しかった…!

お正月はゾンビ映画を

ゾンビという状態にイマジネーションをかき立てられる

2019年あけましておめでとうございます。

年末はありがたく、晦日までお稽古させいただき、年始は数日間おやすみでしたので映画を数本見ることができました。その中から面白かったゾンビ映画を数本ご紹介。

アイ・アム・レジェンド

 この映画のゾンビ初出シーンがなんだかものすごく良く、なんというかワクワクし、暴力的であり、そこはなとなく魅力的でした。

初めて「もっとゾンビを!ゾンビのシーンをください!」という気持ちになり、見終わった後もゾンビのことしか考えられないほど、この映画の最初のゾンビの出し方は秀逸であり興奮させられました。

気になった方はぜひご覧ください。

トピックス

リチャード・マシスンのSF小説『地球最後の男』が原作である。

犬が重要な役回りで出てくる。

監督 フランシス・ローレンス 2007年アメリカ映画 出演:ウィル・スミス他

早く次のゾンビ映画を!ということで

ドーン・オブ・ザ・デッド

 言わずと知れたジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』(原題”Dawn of the Dead” 1978年)のリメイク版。

 ゾンビといえばショッピングモール、ショッピングモールといえばゾンビというくらいジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』は有名ですよね。

 主人公たちが逃げ込んだショッピングモールに集まってくるゾンビの群れ。1978年当時は第二次オイルショックが予想される中で、生活必需品を求めて人々が右往左往する姿をゾンビに重ねたのかもしれません。  

しかし現在、ショッピングモールの屋上から地上を埋め尽くすゾンビの群れを見ると、東日本大震災の津波の情景を思い出してしまいます。自分の命が危ぶまれる状況が押し寄せてくるという意味ではゾンビも自然災害も同じです。

作品では主人公たちは港まで逃げて船で新しい地を求めて出航しますが、果たしてどこへ辿り着くのでしょうか。

トピックス

主人公の女の人が精神的にものすごく強いタイプなところに救いがある。

犬が重要な役回りで出てくる。

朝起きると平穏な日常が一変しておりその理由は一切説明されない形式。

監督 ザック・スナイダー 2004年アメリカ映画 出演:サラ・ポーリー ヴィング・レイムス他

ワールド・ウォーZ

こちらはちょっと上記二作のゾンビ映画とは違ってサスペンス色が強いので、ゾンビのビジュアルが苦手な人でも楽しめる作品となっています。

とにかく普通のゾンビ映画と違って規模が大きく、地球規模でゾンビ状態の人々が多発する。「マトリックス」と「進撃の巨人」の主人公が「ミッション・インポッシブル」のトム・クルーズのような超娯楽大作です。自然破壊や資本主義経済への批判を匂わせる描写もありながらコマーシャリスティックご都合主義感も存分に盛り込まれており、きっといろいろ予定外のことが起こって撮影大変だったんだろうな、と思いつつ、見ているとあっという間に2時間経っています。

トピックス

続編が今年6月に撮影開始される予定がある。

監督 マーク・フォースター 2006年アメリカ映画 出演:ブラッド・ピット他

年末だけどいつも通りに

年をかさねて以前よりもオイリュトミーの稽古ををする時間が特別なものになっている。まず踊ることができるということが幸せ。さらに一人でなく他の人と一緒に稽古するという経験がとても貴重。自分を保ちながら他人を尊重できるような稽古ができれば良いが、なかなか難しい。でもあせらず時間をかければうまくいく。

『高丘親王航海記』公演 チケット情報

『高丘親王航海記』公演  チケット情報

<東京公演>

日程
2019年

1月24日(木)  19:30開演
1月25日(金)19:30開演
1月26日(土)15:00開演
1月27日(日)15:00開演

※開場は開演の30分前

東京公演チケットお取り扱いははこちら

会場
世田谷パブリックシアター
(東急田園都市線 三軒茶屋駅前 キャロットタワー内3階)

公演ホームページ

<京都公演(世界初演)> 無事に終了いたしました。

日程
2019年
1月11日(金)  19:00開演
1月12日(土)  15:00開演
※開場は開演の30分前

一般 4,000円 ユース(25歳以下) 3,000円
開場
ロームシアター京都 サウスホール



Suica導入から今日で17年

Suica導入から17年

2001年11月18日にSuicaのサービスは開始されました。今からすると信じられない光景ですが、まだ小さな駅では入り口で切符を切ってくれる駅員さんがいました。冬など寒い時期には駅員さんの吐く息も白く「いってらっしゃい。」「おかえりなさい。」と声をかけてくれることも珍しくありませんでした。

導入後しばらくはSuicaを使い始める人と切符を使う人が混合していました。

私も行動履歴が残ることに違和感を感じてSuicaをしばらく使いませんでしたが、そ2010年頃にはSuicaを利用していないと不便なことも多くなりSuica使用がだんだん増えていきました。2018年現在、Suica利用は私の中でも完全に定着し、電子マネーとして利用することも多くなりました。

iPhoneは日本発売11年目

さて、iPhoneはというと初代機種の発売が2007年6月29日。2011年以降の数年間で日本人のスマートフォンの保有率は60%ほどまで上昇。20~30代では90%以上の保有率となっています。

これは毎日の通勤での光景で納得ですね。

2008年頃はiPhoneが『2001年宇宙の旅』のモノリスに見えたものでした。たった10年ほどの間でここまで多くの人が使いこなしているのは本当に驚きです。

Suica導入から17年、iPhone初代発売から10年が経過

携帯電話以外のwi-fiなどの契約も含めると日本の人口比で181%の契約率。一人がほぼ一台以上のモバイル機器を契約していることになります。

携帯電話の移動データの蓄積から興味深い分析も出ています。

東京の都心5区への通勤者の多く住む上位50駅

携帯電話の電波を追って、最も滞在時間が長い場所を自宅、次に長い場所を職場として出された統計だということです。このデータを見て、私自身、機器に不具合が起こった時以外は携帯電話の電源を切ることは稀であることに気付かされました。ちょっとした動作なのですが、就寝時さえ電波を切ることは億劫になってしまっています。

このような解析が可能になったのも17年のデータの収集実績の成果なのでしょう。すごい時代になりました。

これから

ついこの間、トヨタとソフトバンクが新しい移動手段に関するサービスで業務提携することがニュースになりました。

自動運転には実際に人を乗せて車道を走る車に関する技術と、膨大なデータ処理技術の両方が必要ということですね。正確に自分の位置情報を把握しておくことが安全な自動走行に必要不可欠です。

マイクロチップの人体埋め込みも新しいサービスとして注目されています。現在はデジタル決済などが主だった機能ですが、近い将来自分の体調を平均的に保つ医療機能が付加されるかもしれません。

免疫系を監視し、病気になりにくい身体が実現。健康監視チェッカー商品を比較的安価な値段で自分の体にインストールし、飛躍的に寿命が伸び医療費は低くなる。しかし、本来の自分の「対処力」、元々持っている消化力だとか、抗菌作用だとかは自ずと退化していかざるを得ないでしょう。

また、AIの台頭により人間の仕事が減り健康で長生きできるとしたら、今、会社に行っている時間を何に使うでしょうか。

様々な面で、義務でなく自由意志で行動していくことが増えそうです。

 

サウス・セントラルLA

サウス・セントラルLA

199年のロサンゼルス暴動を調べている時にNetflixにあったので見てみました。

タイトルからしてロサンゼルス暴動を描いたものかと思ったが全く違った内容。

イケメン青年のファンタジックな成長譚

親の脛かじりのイケメン青年が恋愛や友情などのいろいろな問題を乗り越えながら自立していくという青春ドラマ。その中でも多少ギャングの抗争が描かれるが、どちだかというとファンタジックな成長譚として楽しめた。

主人公の彼女の元彼役(刑務所帰り)でスヌープ・ドッグが出演している。

カメラを止めるな!

カメラを止めるな!のおさまらない興奮

SNSであまりにも話題になっていた今作。普段から発言をチェックしているコアな映画ファンのアカウントも、こぞって絶賛のツイートをしていました。これはぜひ見に行かなければ!さっそく映画館へ。

憂慮していた3点

今回、口コミ情報から間違いなくおもしろい作品であることは確信していたのですが、若干の憂慮がありました。というのは…

1.「血糊」がすごそうな映画であること。「あまりにもグロテスクだったらどうしよう?」

2.「映画の撮影」がキーポイントになっている映画であるということ。「入れ子構造が複雑過ぎてわかりにくかったらどうしよう?」

3.「ゾンビ」が関わっていること。「B級過ぎる通好みの映画だったらどうしよう?」

私は母を誘って見に行ったのでそんなことが心配だったのですが、すべてまったくの杞憂に終わりました!むしろ見終わった後は、母が率先して「カメラを止めるな!」を特集している映画雑誌はないかと探していました。

分かりやすすぎてつまらないかと思われるところに驚きの仕掛けが、複雑すぎるかと思われるところはセンス良く簡潔に演出され、全てが想像以上、良い意味で裏切られ続ける快感に拍手喝采を送るしかない傑作でした。

展開しながら進化・深化する多重構造

すでに見た方はご存知のように(見てない方はこの先ネタばれがあります…)、

この映画にはあっと驚く仕掛けがありますよね。映画の構造自体が近視眼的な第一段階目の視点から、三段階の引きの視点に展開していくのと同様、登場人物の描写もどんどん深く展開してくる。

まず、前半ゾンビ映画の主役男女においては、恐ろしい監督に執拗に責められる、か弱くも真摯に役作りに励む女優と、それをサポートするように見えながらも実は女優に言い寄る少々頼りない男優、というステレオタイプな関係性が描かれます。

その構図がはっきりと示される劇中劇中盤。女性はより原初生命的な素の存在として、男性はより儚い夢のような存在としてそれぞれが一定のキャラクターを確立。

さらに後半になると前半の関係性が反転し、女優のしたたかさ、男優の朴訥さ(少々ずれてはいる)の表現へと鮮やかに置き変わる。というように、一つの作品の中で、同じ俳優が複数の角度から切り取られ、同一存在の中の別人格が次々に浮き上がってくるという変幻のおもしろさがある。

折り重なる物語

後半のドラマ部分が始まると登場人物に一気に親近感が増してくる。特に主人公の監督役の俳優(濱津隆之)を応援せずにはいられない。そして撮影クルーとしてそれまでカメラのこちら側に隠れていた裏方的な人物が次々と主役のように輝く瞬間が用意されており、その輝き方がまた感動的なのである。

特に印象深かったのは撮影の進行役を務める撮影マネージャー的な役割の女性(演じるのは吉田美紀)。自分はモニターの前にいて直接撮影に加わらないが、撮影スタッフ全員の行動を把握していて、進行通りに進んでいないところに指示を出し、ノーカット撮影が滞りなく運ぶように監督しているという役所だ。最も大きな危機を乗り越えた場面の、この女優さんの押さえた演技が、緊迫した状況の中での深い安堵を感じさせ、むしろより熱い、感動的なシーンとなっており、私の好きなところでもある。

撮影をなんとしても続行させなけれなならないという事情ゆえに、周囲に死屍累々たる光景が築かれつつも聖火のように担われていくカメラ。そしてカメラの通り道をつなぎ続けるスタッフたち。彼ら全員の意思が奔流となり、いつしか見ている観客も轟々と逆巻く流れに巻き込まれた撮影クルーの一員であるかのように神聖な気持ちになって成功を祈らずにいられない。さらにその神的感動はブラックスプロイテーション映画のサントラ曲のようなファンクサウンドに彩られた第一級のドタバタコメディとしても成立しているという痛快さなのである。どんな年代の方でも楽しめる所以です。

「カメラを止めるな!」フランスで公開決定

今作は必ず今後も多くの映画館で長期上映されるでしょうし、映画史にも残る作品ではないかと思います。ぜひまだ見ていない方は映画館に足を運ばれるよう強くおすすめいたします!

 

おまけ情報

どんなにおもしろい映画でも一般1,800円は高いなと思ってしまいます。今回はイオンシネマでの鑑賞でしたので、「みんなの優待」利用で400円引きで見ることができました。このサービスに限らず、今はどこ系列の映画館で見るかで探せば何かしらの割引があるようです。また月曜や水曜にサービスデイを設けている映画館も多いのでうまく利用していきたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

アメリカン・スリープオーバー

 

午前3時、眠れなくてもう起きてるしかないと決意して、なるべくどうでも良さそうな映画を選んで「アメリカン・スリープオーバー」を見始めたら思いのほか感動してさらに眠れなくなったので報告しますね。

 

スリープオーバーすなわち「お泊まり会」

アメリカでは高校生が折に触れて「お泊まり会」というのをやるらしい。

卒業してこれから新しい環境での生活が始まるタイミングや、入学前の不安でドキドキワクワクな時期に親睦をかねて誰かの家(必然的に豪邸とかある程度広い家ですね)に集団でお泊まりするのである。

 

こと細かに描かれる青春の気まずさ

この映画ではそんな一夜が開けるまでの複数の男女のそれぞれの物語が描かれている。自分の寝袋を持って続々とお泊まり会場に集まってくる高校生たち。

 

 

慣れないピッチでお酒を飲んで吐いたり、大麻を吸ったり湖水で泳いで語らったり。女の子同士の噂話や、肝試しからのカップル誕生、成就することのない恋魅惑的だが同時に逃げ出したくなるようなアンビバレンスな場面の数々が繊細に描かれます。

少しばかり出てくる大人達はぼんやりした存在であり、「夢の番人」さながら居眠りしている。少年少女たちと大人の中間としての存在である「お姉さん」の描かれ方も興味深い。

音楽も青春映画にぴったりの切なく儚い美しいメロディの曲がたくさんで楽しめる。最近聴いてキレイな声だなと思っていたBeirut。このボーカルの人のへろへろした声が好き。

目は光の器官

親密な会話やほんの少しの間。誰にでもある、しかし誰とも共有できないパーソナルな空気感が余すところなくとらえられている。また交錯する視線のビームが綾なす瞳の映画でもある。ヒトの目が器官であることをあらためて思い出させられた。映画は光の芸術ですね。

 

大海の前で泳ぎを覚える小魚のような、危なっかしくも神々しい若者の姿が眩しすぎて直視できない奇跡の青春映画です。

監督はデヴィッド・ロバート・ミッチェル。1974年生まれ。出演の俳優陣はほとんど経歴がありません。どうやってキャスティングされたのかも気になるところ。

ポイント

  • 伏線のエピソードが全て収束するアルトマン系の爽快感
  • 水関連の描写が印象的
  • 眠れない夜にぴったり!

 

『アメリカン・スリープオーバー』 2010年アメリカ映画  (原題 The Myth of the American Sleepover ) 監督 デヴィッド・ロバート・ミッチェル 出演 クレア・スロマ、マーロン・モートン、アマンダ・バウアー、ブレット・ジェイコブセン、ジェイド・ラムジー 他