怪談

今、怪談が流行っている気がするんですが如何ですか。

AIの頭が良くなればなるほど怪談というものの存在感が増す気がする。

AIへの興味関心と霊へのそれは同等である、として、テクノロジーの進歩による得体の知れないもの=心霊、という構図はよく見るが、そういうことでもなく、

この頃の怪談人気は人間とおばけの境界線が薄くなっていることの現れのような気がしますねー

春。

コロナになってからの飲酒事情

コロナの自粛が始まった2020年3月あたりから、ほとんどお酒を飲まなくなった。

【理由】

・お店に行ってお酒を飲むという雰囲気じゃなくなってしまったこと

・緊急事態宣言、まん防等で飲食店がやっていないこと

・一人で家で飲むほどお酒が好きじゃなかったこと

飲酒すると消化が悪くなるのか、翌朝の目覚めがスッキリしない、体が辛い、というのもある。

何かの祝い、一仕事やり終えた時など、自分にとって非日常的なイベントがある時は楽しい気持ちで飲むこともある。

コロナに関係なく、毎日の晩酌や楽しみとしての飲酒習慣を続けている人を見ると、消化器系統が強いのが少し羨ましく感じる。

総じて自分はお酒という嗜好品自体が好きというよりは、酒場と、それにまつわる雰囲気を楽しんでいた、ということになるのだろうか。

夜の酒場がやっていないのは悲しく感じる。

楳図かずお大美術展

鑑賞には事前の予約が必要だったようで、当日の朝、予約。

前売り券を購入しておくほうがベター

これから行かれる方はローソンチケット(Lコード:31110)もしくは東京シティビューオンラインサイトで購入できます。

新作絵画101枚で構成された『ZOKU-SHINGO』。

こちらは漫画『わたしは慎吾』の続編になる。
『わたしは慎吾』が好きな私にとって絶対に見逃せない展覧会なので意気込んで予定を調整して臨みました。

101点をじっくり2周して2時間があっという間に過ぎて行きます。

楳図かずおさんの原画、しかも素描と彩色の両バージョンを間近で見られる日が来るなんて信じられない思い。とんでもない独創性とイマジネーションに驚きの連続でした。

グッズコーナーで『わたしは慎吾』の扉絵シリーズのポストカードを購入。

森タワーの52階は朝は眩しかったので、会期中、今度は夕方以降に行きたいと思います。

『わたしは慎吾』に登場する東京タワー

52階から渋谷と新宿と青山墓地が一緒に見える

ブッシュマン 触覚時代 見終わってすぐのメモ

【見終わってすぐのメモ】

カタコンベ
骨の饗宴 
ピエタ像
最後の晩餐
生け贄
MARVELの悪役的な物語性のある悲しみ
AKIRA
CUBEのかもし出すディストピアを構成する要素の中枢感
インダストリアルノイズ感
カフカ 有害生物 虫じゃない
動物から人間、また動物から人間、時々植物から気体
物質と非物質どちらにもいけないもどかしい感じ
トライバル感
個がありながらも族が優勢する

オイリュトミーとピアノの会「七」〜谷合ひろみ 七回忌に寄せて〜 閉会致しました

 オイリュトミーとピアノの会「七」〜谷合ひろみ 七回忌に寄せて〜 昨晩無事に閉会いたしました。暑い中、コロナ禍の中、足をお運びくださいました皆様、本当に有難うございました。

 会終演後、協力くださった自主学校 遊での懇親会に参加し、故・谷合ひろみ先生の思い出話に花が咲きました。谷合ひろみ先生は、踊りを習う態度、踊りに向かう態度というものを、自らの人生を持って体現してくださった方だと改めて感じました。谷合先生が最後に踊られた「アヴェ・マリア」が今でも目の奥に焼きついています。

 今回、主催のオイリュトミーとピアノの会、定方まことさんから出演の依頼をいただき、谷合ひろみ先生への思いを念頭に置きながら作品選びをしました。
 
 選んだ曲、シューベルトのピアノソナタ第20番第2楽章はロベール・ブレッソンという映画監督の『バルタザールどこへいく』という映画で使用されています。
一風変わった美しさを持つこの曲は以前から印象に残っていましたが、難解という印象があり、特に中盤の激しい曲調を踊り切る自信が持てずに長いこと挑戦を諦めていました。
しかし今回、谷合先生の七回忌ということで、たとえ失敗したとしてもやってみる価値はある、という思いでトライすることができました。

 先生に「やってみたら?」と、背中を押していただけたような気がしています。

 静けさの中にとてつもない情熱を秘めた、谷合ひろみ先生の舞台上の姿が懐かしく思い出されます。
 
 ご来場下さいました皆様、お力添え下さった皆様に重ねまして感謝致します。

羽化したてのせみに出会い、繰り返す生命を感じました。

 

オイリュトミーとピアノの会主催「七」〜谷合ひろみ七回忌に寄せて〜

2021年7月25日(日)19時より(開場は15分前)

くにたち市民芸術小ホール 1階ホール
(国立市富士見台2-48-1 JR南武線谷保駅・矢川駅徒歩10分)

主催 オイリュトミーとピアノの会

問い合わせ makotosadakata@gmail.com
TEL 050-3591-6134(定方)

料金 1,000円〜(中学生以下無料・高校生500円)

料金について-
 私たちを取り巻く経済のあり様は、時代の変遷に伴って刻一刻と変化を続けていると感じています。そして、経済に対する価値観や立ち位置も、人それぞれに全く違います。
 上記の金額は、会に関わる全ての方々の協力を得た上での、最低限度のものです。それ以上が相応しいと思われる方、それ相応と思われる方、それは苦しいと思われる方、色々なかたちがあって良いのではないかと考えます。料金は、当日お渡しする封筒にて終演後に頂戴したく思います。
 このような試みが、来るべき社会の愛ある経済のあり方について考える一助になれば幸いです。

 こちらの公演に出演させて頂きます。谷合ひろみ先生の思い出を分かち合える場となれば幸いです。緊急事態宣言の中、稽古に集中して挑むことができる良い機会を頂きました。感謝の気持ちで踊らせて頂きたいと思います。
 

 施設のガイドラインにより、座席数を限定しております。お越しの際は予約をお入れ下さいます様、お願い致します。
 猛暑の折ではございますが是非お出かけ下さい。心よりお待ち申し上げます。

鈍色の風景

これだ。これが、

鈍色。ニビ イロ。

日本海の色。

海なのに明るくない、海にいるのに開放感がない。

それ故に光を感じる。

私にとっては苦しさと、希望を感じる風景。

いつの間にかこんなに便利なサービスが!!

職場までの13kmをHELLO CYCLINGを利用して移動してみました

気持ちの良い季節、自転車に乗りたいなーという気持ちになる日ってありませんか。

昔は観光地にしかなかったレンタサイクルですが、インバウンド需要で日本全国がゆる〜く観光地化した結果、東京都内は概ねレンタサイクルを利用することができるようになっていました。気づかないうちに。

今回利用したのはHELLO CYCLING。電動アシスト自転車のレンタサイクルです。

職場と自宅の13kmほどを走ってみました。

まず最初に乗った印象。

サドルが低い!

すぐに止まって高くしました。

次に、

道がわからない!

長い距離を移動する時は綿密な走行計画を練った方が良いということですね。

サイクリングの前日にGoogle マップでルート検索をして、要所要所の道路標識と、右折・左折・道なりに進む、などのポイントをメモ紙に書いておき、ポケットに入れておくのがおすすめです。

いちいちスマホを出してマップを確認するのは面倒ですし、路上では危険に繋がりかねませんから注意が必要です。

さて肝心の乗り心地は

電動アシスト自転車は、走り出し時や坂道での荷重を軽減してくれるので、ほとんど長い距離を移動した体感はありません。それを良しとするか、物足りないと感じるかは利用する人の用途に寄りますね。

ちなみに利用料金は首都圏では15分70円 (栃木県小山市のみ0円なのが気になります。)。

試しに隣の駅までの3,5kmくらいをの~んびり走り、返却ポートに自転車を返却してみたところ、だいたい20分、利用料は140円。ほぼ電車利用と同程度になります。

今回は約13km走り、1.5時間ほどの利用で490円でした。この道のりを電車で移動した場合は250円ほどの電車賃で足りますので、むしろ贅沢な行為。

バッテリーは乗車時70%。坂道が少なかった為か20%くらいしか減りませんでした。

通る道の高低差にもよりますが50kmくらいは充電が切れずに走れる計算です。これならだいたいどこに行くのもバッテリーが切れて困ることは無さそうです。

支払い方法は?

クレジットカード決算と、契約している携帯電話料金との合算支払い、他にもあります。また利用に関してはスマホにアプリを落とす必要があります。アプリを使って貸し出し可能ポートや返却ポートを探します。

新しい移動手段としてあり

はじめだけ登録・支払いの手間がかかりますが、その後は気軽に利用できます。一つ移動手段が増える感じです。

今後アップダウンの激しい地形を移動する必要がある時には利用していきたいと思います。他者との接触に敏感な時期ですのでサイクリングは気分転換に最高です。人とすれ違う時はマスクをするようにしています。

落とし物を届けてくれた嬉しい方法

十年来使用しているベレー帽を無くしました。

数日の間、いろいろな場所を探しましたが出て来ず、半ばあきらめかけていたところ、、、

近所のお宅の門扉に貼り付けてくださっている方がいました。朝、急いで出かけた際に落としていたようです。

普段は忘れ物が少ないほうですが、急いだり焦ったりしたときには落とし物が増えがちな自分。

どんな時もマイペースを保ちたいものですが、こんな優しさに触れられるのは嬉しいものです。

解錠師 スティーヴ・ハミルトン

日本語タイトルから紳士的な風貌の解錠マニア名探偵の話かと予想していたが、魅力的な不良がたくさん出てくる青春小説。

検索すると皆さん指摘しているように、映『ベイビー・ドライバー』を彷彿とさせる内容。

小学生の時、鍵っ子だった私は、鍵を忘れて家に入れない時、ヘアピン2本を使って解錠していた。 

指先に感じる手応えと開いた時の興奮。

もちろんいつも成功するわけではなく、雨樋を登って二階のベランダから入ったり、

誰か帰ってくるまで何時間も待ったりもしていた。

なぜあんなにも鍵を忘れていたのかは謎である。

故郷(ふるさと)を生きる-詩人・和合亮一と「石巻こけし」リニア | ベターライフチャンネル | スカパー!オンデマンド

先月、ナレーションの収録を行った番組が3月21日の21時半まで視聴できます。(終了しました)

番組「故郷を生きる」詩人・和合亮一と「石巻こけし」篇(30分)

企画監修・城戸朱理         プロデューサー・小野田桂子

詩人の和合亮一さんが、東日本大震災から8年目の宮城県石巻市を巡ります。

ポップカルチャーとこけしのミクスチャー、石巻こけしをはじめ、メロンパンが名物の萬楽堂白謙蒲鉾店石巻まちの本棚石ノ森萬画館サン・ファン館など、地元の人の顔が物語る石巻の生活。

ぜひご覧下さい。

『7人目の子』 エーリク・ヴァレア

時間の余ってる人にしかおすすめしないけど本作、とても幻想的で味わい深い作品です。

とにかく暗く、おぞましく、切ない、子供の頃の不安や恐怖を描ききっています。

これを読んでいる間はとにかく悪夢を見続けました。

冒頭から決闘により鼻を失った天文学者ティコ・ブラーエへのオマージュが織り込まれており、デンマーク生まれで自身も孤児であったという著者への想像力をかき立てられる。

子供時代の孤独をここまでの幻想小説として完成させた本作には感嘆せざるを得ない。

ぜひ気長に読んでほしい良作。しかし人を選ぶかも。。。

松屋のシータ

金曜夜の九時、仕事に疲れた私は持ち帰り牛丼を求めて入店する。

券売機に並び、最もポピュラーな牛丼並盛りを選ぶ。私の前にチケットを購入したサラリーマンでカウンターは満席だ。

コの字型のカウンターは十人程のサラリーマンによる黒系の色彩一色である。

肩が触れるかという距離感。

なぜかみな姿勢が良い。狭い中でのパーソナルスペース確保の為か。

持ち帰り専用カウンターの小さなスペースへ歩み寄ると、返す刀で暑いほうじ茶が供される。

今日のホール係は三十代前半の女性と、調理場にはもう少し年配の女性の二人である。

空いている時分であればものの二、三分で提供される持ち帰り牛丼だが、本日は満席以上に満席、私の次にも持ち帰り牛丼三つを購入意志のおばあさんが大荷物で佇む場所もなく控えている。

しかもこのおばあさんはタッチパネル式の券売機に対応できず、カウンター内から三十代前半女性店員が出てきてチケット購入の補助に付いた。

そんな彼女の大奮闘振りを宿り木のサラリーマンたちは着丼を待ちながら見るともなく見ている。なぜか皆、少し恥ずかしげだ。

ものすごい速さで注文をこなし、次々に暖かい料理が運ばれる。3秒差くらいでサラリーマンが割り箸をセパレートする音が響く。管理職もエンジニアも熱々のチーズハンバーグを口に運ぶ。総じて嬉しそうだ。

誰もが何となく楚々としているように感じるのは何故だろう。

その間にも床に落ちたレシートを拾い、カウンターを出入りしながらアクロバティックに飛び回る。かといって悲壮感も漂わせず、あせっていないわけでもない。

全力を出しながらも己のペースを乱さない。たとえ乱れていたとしてもそれが急カーブを曲がる蒸気機関車のような美しさ好もしさを保っている。

そんな三十代女性店員を明らかに店中の皆が尊敬し憧れた瞬間があった。

彼女の働きに対して襟を正した瞬間があった。

その時、狭い店内は大伽藍にも匹敵する聖なる空間へと変容した。

皆、限られた動作の中で彼女に対する感謝と尊敬をあらわそうと自ずと礼儀正しくなっていたのだった。

私も普通の感謝の言葉にそれ以上の思いを込めて牛丼並盛りを受け取った。

世界は広い。

そしてアイデアやコンセプトによって、
また別の言い方をするならば、心持ち一つで到達するゴールは全く違うのだ。

横断歩道を渡りながら思った。自分のいる地点からだけモノを見ていてはいけない。

牛丼を買いに行って思いがけず南米に旅行したような不思議な距離感の出来事だった。

停滞と移動

ちょうど十年住んだ部屋。

ここで十年間を過ごしたことが信じられない。

その間、私はいくつか仕事を変わり、夜はほぼ稽古という日々。

2011年の東日本大震災はその中でも大きい出来事だった。

震災前、すぐそこの通りを歩いていたときの身体感覚を覚えている。

ただひたすらぼんやりしていた。

所与のものをただあたりまえの権利として、否、権利としてさえ認識しないままに受け取り、疑問も感謝の念も持つことのない無関心さ、あるいは天真爛漫さ。

未来への漠然とした欲求、そしてその欲求が漠然としていることへの不安。

自分とも他者とも関係性が薄く、己の傲慢さにすら鈍感。

それを恥ずかしく思えるくらいには成長したのかもしれない。

2018年末はボヘミアン・ラプソディー

クリスマスは映画館で『ボヘミアン・ラプソディー』を楽しみました。

マーク・マイヤーズのカメオ出演、どこに出ているのか全くわからず。あとで検索して「こりゃ無理だ。」となりました。あまりに変装が巧すぎる。

『ウェインズ・ワールド』でボヘミアン・ラプソディーを知った者からすると、夢を持った若者が管理職へと変貌を遂げるドラマも見応えがありました。

『ウェインズ・ワールド』ファンにはこのカメオ出演はやっぱり嬉しいですよね。

生物学探偵セオ・クレイ 森の捕食者

主人公のセオ・クレイは一風変わった生物学者。

自然の植生を観察しつつ、自分で作った解析アプリを使って膨大なデータを読み解く。その方法が想像の斜め上を行く面白さだ。

バランスを欠いた自閉症気味の主人公は、自分の興味を引く分野に集中すると様子がおかしくなる。殺人事件の調査中でも、あまりの怪しさに自分が職質されてしまうという有様だ。

そんなコミュニケーション的にはバランスが悪いが、圧倒的な知識で最新機器を使いこなし情報処理能力は驚異的、というタイプに現代のヒーロー象を感じて目が離せない。

著者のアンドリュー・メインのプロフィールが「マジシャン、イリュージョン・デザイナー、作家」となっているのも興味深い所である。

断水してみてわかったこと

年末年始、ちょっとした手違いから水道が止まった。約二十日間。

変化。

掃除と名のつくものができないので、人も設備も少しづつ汚れてくる。

この「徐々に汚れてくる」加減は、一定の長さの断水を経験しなければ分からなかったことだ。
おいそれと手も洗えない。

基本、トイレが使えないので、就寝前はなるべく水を控える。

終始排泄の心配をしていないといけないので、集中して何かをするということができない。

帰宅時には手に持てるだけのミネラルウオーターを購入。

寒い時期のこと、朝はペットボトルの水を沸かしたお湯をミニタオルにかけて顔を拭く。(ガス、電気は無事。)

できるだけロスがないようにペットボトルの水で手を洗い、使用後は排水口洗浄の為にためておく。

歯磨き後などはこの排水口洗浄が大切だ。二次使用、三次使用と、水を使う順序に自ずと配慮せねばならない。

開栓後、約二十日振りに自宅でシャワーを浴びた。

三重苦のヘレン・ケラーが初めて水の概念を悟った時のような衝撃を感じたと言えば大袈裟だが、歓びのあまり何度も叫ばずにいられなかった。

かくも水というものは大切なものだ。

普段あまりにも無頓着を使っていたので貴重な体験であった。

晩酌の効用

私は一人のときは、お酒をほぼ飲まなかった。酔うと本が読めなくなるので。

飲酒して酩酊する時間など無駄、とさえ思っていた。

しかし、最近は時間と体調が許せば毎日飲むようにしている。

なぜかというと、毎日必ず晩酌をするという友人が言っていたことが気になったからである。

日々、仕事の帰り道に「このお酒にはこのおつまみが合う」などど考えながら買い物をするのが楽しいそうなのだ。

感動した。

これは自分になかった視点だ。

ある一点からの景色を見て、その他を無駄と切り捨てていた自分の未熟さを恥じた。

人間の文化はことごとく芸術なのだ。

しかし自分はけっこうな量を飲んでも酔わない。

綿毛のように

 今年のクリスマスイブは、甥っ子二人を連れ、近くの国営公園へ行きました。

たんぽぽの回転する綿毛さながら走る子供たちを見て、いいものだ、としみじみ思いました。

大切なのはセンス・オブ・ワンダー、驚ける感性。初めて出会うように、毎朝、自分と、世界と出会いたい。

楽しくて笑いが止まらない、思わず走り出してしまう、そんな子供たちを見ていると人間の性善説を信じることができます。

すべての見えない光

本当に恐ろしい描写ほどさりげないものだ。

やり切れない、恐ろしい描写を読んだあとは、本を閉じて眠りに落ちると夢でうなされる。

このような部分。

“ここでは、囚人達は、町を直撃する砲弾の音を聞くよりも前に目で見る。前回の戦争中、エティエンヌの知る砲兵たちは、双眼鏡を覗き込み、空に上がる色で、自分たちの放った砲弾による被害を見てとることができた。灰色は石。茶色は土。ピンク色は肉体。”

また、以下の部分には非常に感銘を受けた。

“彼はツォルフェアアインで見た、老いて打ちひしがれた坑夫ことを思う。椅子や木箱に腰かけたまま、何時間も動かず、死にたいと思っている男たち。そんな男たちにとって、時間とは、うんざりする余剰でしかなく、樽から水がゆっくり抜けて行くの見つめるようなものだ。だが実際には、時間とは自分の両手ですくって運んでいく輝く水たまりだ。そう彼は思う。力を振りしぼって守るべきものだ。そのために闘うべきものだ。一滴たりとも落とさないように、精一杯努力すべきだ。”

“空気は生きたすべての生命、発せられたすべての文章の書庫にして記録であり、 送信されたすべての言葉が、その内側でこだましつづけているのだとしたら。

 彼女は思う。一時間が過ぎるごとに、戦争の記憶を持つだれかが、世界から落ちて消えていく。

 わたしたちは、草になってまた立ち上がる。 花になって。歌になって。”

アンソニー・ドーアの『すべての見えない光』 より

でかいメガネ

2000年にイメージフォーラムフェスティバルで大賞を受賞した坪田義史監督の『でかいメガネ』、私は学生時代にこの映画に出演というかたちで協力しました。今回、坪田義史監督の新作ドキュメンタリー映画『だってしょうがないじゃない』が公開されており、その関連イベントで20年ぶりにこの作品が一日だけポレポレ東中野の階上のスペース&カフェ ポレポレ座で上映されました。

映画『許されざる者』の冒頭で、貧しいながらも平穏な生活を送っていた主人公マーニーは、突然の来客者によって過去の自分の悪業を思い出すことになります。

20年の時を経てスクリーン越しの自分を見ることはそれに似て、かなりの破壊力のある体験となりました。当時の感覚が生々しく蘇り、数日は半身が過去に存在しているかのような幽霊じみた存在になっていたような気がします。

そんな不思議な感覚も現在進行形の関係性の中へ次第に解消していきます。

『てかいメガネ』か時間の流れを逆行させる強い磁力を持った作品であることは間違いありません。

カーアン・ヴァズ・ブルーン&ベニ・ブトカ『誹謗』

やたら強い女やブランド品が沢山出てくる軽快さと、通奏低音のように流れるタイトルの意味の重さが対照的である。

多少流れがいびつになっても売れる本を作ろうという意欲を感じる。受けるネタを詰め込みあくまでも結果を出そうと暴走するストーリーにひっぱられて登場人物が精彩を放つこの感じ、嫌いじゃない。

ドジっ子の主人公もヤキモキするけど嫌いじゃない!

カーアン・ヴァズ・ブルーン&ベニ・ブトカ『誹謗』長谷川圭訳早川書房

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南伊豆の海

家族旅行でもう30年ほど通っている南伊豆。長く通っているだけにたくさんの思い出がある。

初めのうちはいろいろな宿に泊まってみたものの、ここ20年ほどは同じ宿に泊まっている。

漁師のお父さんと料理上手のお母さんがいるのでお料理が最高なのだ。

最近では海水浴のシーズンだけでなく秋にも伊勢海老を目当てに出かけることも多い。

家族が減ったり増えたりしても、この海を前にすると故郷に帰ってきたような感覚になる。

12/7(土)ヒンメリワークショップ

前回9月に行いました「カフェ・ヒンメルのお料理とヒンメリ作りの一日」、この度パート2を行うことになりました!

カフェ・ヒンメルは東京国立市で私の妹たちとその友人がやっている小さなカフェです。私はこのカフェでのイベントの一部をオーガナイズしています。

ランチ・テイクアウトのご予約
カフェ・ヒンメル ホームページ ご予約フォームはこちら
☎︎ 090-7849-4408
メール cafehimmel2019@yahoo.co.jp

国立市富士見台3-4-1
国立駅南口矢川行きバス10分芸術小ホール前下車3分スタジオ凛隣
月~土10時〜14時、日定休

ヒンメリワークショップ

第一回目に引き続き、講師は北欧のお菓子や文化に造詣の深い「自然菓子工房roco」の田中浩子先生です。

roco先生の丁寧な指導のもと、手仕事の時間を楽しんでみませんか?
いよいよクリスマスシーズンの到来です。みなさまいかがお過ごしですか?

9月のヒンメリワークショップに次いで今回はヒンメリの6つの基本形のうちの2つ目の型を作ります。

今回初めてご参加の方は1つ目の型から始めます。roco先生の丁寧な解説と、わかりやすい作成図も付いていますので、初心者の方も綺麗な仕上がりのヒンメリを作ることが出来ます。暖かな店内でスペシャルプレートを頂きつつヒンメリ作りはいかがですか?ぜひお気軽にご参加下さい。ちょっとしたクリスマスプレゼントにもおすすめです。

当日はroco先生の作品販売もございます。初心者の方もお気軽にご参加ください。ご予約お待ちしております。

⭐今回も使用する麦わらはroco先生の無農薬自家栽培のもの。品種は「春よ恋」です。ぜひ麦を剥く作業から体験して頂きたいと思います。

cafe himmel presents himmeli workshopのご案内
カフェ・ヒンメルのお料理とヒンメリ作りの一日 part2

2019年12/7(土) 

Lunchtime Workshop     
ランチタイムワークショップ 4,300円           
11:00〜13:30             
クリスマスシェパーズパイプレート  
ヒンメルティーとミニデザート

Cafetime Workshop     
カフェタイムワークショップ 4,000円          15:00~17:30         
焦がしキャラメルのレイヤーケーキプレート 
ヒンメルティー

Bartime Workshop
バータイムワークショップ 4,000円
19:00~21:30
お好きなドリンクとアペタイザー

★キッズコース追加しました! 2,000円 (焼き菓子付き)入退場自由

持ち物    
●ハサミ
●定規(20㎝~30㎝くらいいのものでok)
●ボールペン(ペン先が細いものの方がベター)
●手拭い(布巾など毛羽立っていないものの方がベター)

     

申し込み・お問い合わせ  
cafehimmel2019@yahoo.co.jp 
080-4206-0392

ヒンメリ作り講師  田中浩子(roco)先生

2003年東京杉並区のカフェギャラリー「かりんとう」で料理とスイーツを担当。2005年「自然菓子工房roco」を立ち上げ、企業やカフェ、イベントなどへスイーツを提供しつつ、地方の埋もれた食材にスポットを当てた商品開発なども手掛ける。2013年山梨県甲府市に移住。念願だった小麦栽培を始め、ヒンメリのワークショップ&北欧のお菓子作りなどを「お菓子教室roco」にて展開中!facebook

講師rocoさんにヒンメリの魅力について聞きました

・ヒンメリの魅力とは?

何といっても幾何学模様の造形的な美しさです。さらに光のモビールと言われているように、光に照らされると黄金に輝き、その影もまた幻想的なシルエットを映し出します。風が吹けばまわりだし、また地熱でも動き出し… 空間に一つヒンメリがあるだけで、その場の空気が変わるような気配があります。一本の藁にひもを通して結ぶ行為を繰り返すことによって、人を自然と無心に導き、それが祈りへと続いているように感じます。ヒンメリに調和と神聖さを感じるのはその為かもしれません。ヒンメリを掘り下げていくと、日本のしめ縄文化に通じているとも言われており、遠いフィンランドのヒンメリに魅了されるのは、そういった何か懐かしいような親しみを感じるからではないかと思います。

・ヒンメリ作りに興味を持ったきっかけ

仕事で北欧のお菓子作りを10年くらいやっていた関係で、麦わらで作ったヒンメリに出会い、その造形と光と影の美しさに魅了されました。・ヒンメリ作りで楽しいと感じることは?

ヒンメリは難しいと思われがちですが、基本的な形は単純で、それを組み合わせていく作業なので誰でも作ることができます。繰り返していく作業なので時間はかかりますが、だからこそ完成した時の喜びはひとしおです!一度取り掛かると時間の感覚がなくなり、我を忘れて熱中してしまいます。この感覚を味わいたくてやっているのかもしれません。

cafe himmel 店主junさんに聞きました

・カフェ・ヒンメルとは?

2019年6月に国立谷保エリアにオープンしました。友人と姉と運営しているカフェです。

現在は日替わりランチが中心ですが、今後はモーニングも提供できるよう準備を進めています。ヒンメルのモーニングがなきゃ1日が始まらない、と言っていただけるようになりたいですね。

食材は地元の野菜を多く使い、素材の味を生かせるような味付けにこだわっています。日替りの熟成ラムレーズンケーキやバナナケーキ、スパイスクッキーなどもぜひ食べて頂きたいです。

・ヒンメルの名前の由来は?

アンリ・ルソーの描く楽園のイメージで店名を考えていました。紆余曲折あり、ドイツ語で天を意味するhimmelになりました。ヒンメリも語源は同じと聞き、ご縁を感じています。

前回のワークショップの様子
前回のワークショップ 店内に展示してあるroco先生のヒンメリ作品は購入できます

ぜひヒンメルで、ヒンメリを!!

うなくし 立川


いつもお世話になっている城戸朱理さん、小野田桂子さんに鰻をご馳走になった。城戸さんの若い頃、映画を(主に名画座で)年間180本見ていたこともあったとのこと。今のようにパソコンやタブレット、アイフォンなどあるはずもなく、映画館へ行くのである。学生なのでお金もなく、食費を削って見る。本数を見ているヤツほど日に当たらなくなるのでだんだん青白くなり、最後には皮膚病になる、という話が壮絶だった。私も大学は映像科にいたので、思い出してみるとそんな男子をチラホラ見かけたような気がする。