「神々の残照」 オイリュトミー群舞の稽古

5月25日、国立劇場5月特別企画公演 「神々の残照」が終わりました。

コンテンポラリーダンス「マーラー作曲〈交響曲第五番〉と群読による古事記祝典舞踊『いのちの海の声が聴こえる』」

こちらの演目にペルセパッサ・オイリュトミー団の一員として出演させていただきました。

オイリュトミーは、マーラー作曲「交響曲第五番 第一、二、四楽章」を19人で踊るというものでした。約40分の長丁場です。

稽古期間は約半年間。私は一月の「高丘親王航海記」公演後に稽古に参加したので、ほぼ五ヶ月間の稽古を経ての本番でした。

作品を立ち上げる

まず、まったく白紙の状態から、各楽章の担当作成者がフォルムを立ち上げます。「フォルム」とは、オイリュトミーの足運びの地図のようなものです。

それを見ながら曲に合わせて動いて行きます。動いてみながらフォルムに修正を加えるなど調整しつつ何度も練習します。

この、行きつ戻りつの繰り返しのなかで、自然と長い曲、難解な曲もからだに入ってきます。

その後の段階で、音程、旋律、和音など、上半身で表現する動きを決めていきます。ここでも足の動きとのバランスを見ながら、さらに調整を加えながら練習を繰り返します。

19人の大群舞

今回はオイリュトミスト総勢19名。同じ音を聴いても感じかたは人それぞれ。メソッドを共有しているオイリュトミスト同志でも、各々の感性によってまったく違う表現になります。

もちろんソロ作品の場合はそれぞれの個性を深めていけば良いと思いますが、群舞ではそうも行きません。

群舞としての表現を高めていくには動きを揃えていく練習も重要になってきます。

その時に、「自分の感じ方」のみが正しいと思っているとなかなか上手くいきません。感じ方に正しいも何もないので当然なのですが、自分の性格上、そう思ってしまうことがしばしばあります。

群舞の稽古で大切なのは、自分の感性に安住せず、他者の動きをよく見て受け入れること。そうすることで、結果的に集団の力を引きだし、新たな自分との出会いにも繋がっていきます。

他者への尊敬と信頼を持って動くこと。今回の稽古期間ではそれを学ばせていただきました。

ご来場下さいました皆様、誠にありがとうございました。

そういえば、、、

酒井はなさんがオイリュトミーの動きを気に入ってくださったのか、たくさん二度とオクターヴ(八度)のインターヴァルを真似してくれたのが嬉しかった!というか超絶的に美しかったです。

パソコンが壊れました

7年間にわたり頑張ってくれた我が家のパソコンが壊れました。

修理に出すか、新しいパソコンを購入するまでサイトの更新が滞りますが、なにとぞ宜しくお願い致します。

現在、5月25日の国立劇場での「神々の残照」という公演の稽古に励んでおります。

https://www.ntj.jac.go.jp/sp/schedule/kokuritsu_l/2019/5125.html

ワークショップについて

オイリュトミーワークショップは、現在、ご要望あった時にその都度対応しております。

次回開催日は6/16(日) 10時〜12時

初回受講費 5,000円、二回目以降は2,000円となります。

受講希望の方、ご質問、お問い合わせは、上記メニューバー内contactページのお問い合わせフォームからどうぞ。

ムーンライト ロケーションがすごい

ムーンライト

とにかくロケーションだけでも見る価値がある

一番初めのシーンで緊迫感がすごい。なんとも言えない、悲しい、荒廃した、しかし神々しい風景が一気にこの映画にのめり込ませる。また前半の子供が隠れる中途半端な廃墟の部屋のリアリティもすごい。

監督のバリー・ジェンキンスと原作のタレル・アルヴィン・マクレイニーが幼少時代を過ごしたマイアミの貧困地区リバティースクエアで撮影されている。

光と緑溢れるマイアミを舞台に、居場所を求める孤独な少年の成長を描く『ムーンライト』の世界│NYタイムズ動画+記事

  作られた空間ではないリアリティ、空気が濃いのに通り感、抜け感があり、誰かの大事なプライベートな空間であることが伝わって来る。

主人公の成長に合わせて3部構成となっていう今作だが、最初の幼児期が最もリアリズムに支配された心に刺さりまくる描写が多く、成長につれてファンタジーの度合いが強烈に濃くなる。後半の展開についていけない人はついていけないかもしれない。

しかしこの映画にはこの構成が最高に生きている。なぜなら前半の子供時代があまりにもつらいからだ。

 ロケーションの素晴らしさとこの構成の妙が故に大好きな映画だ。一生に一度見れば何かが変わる映画。しょっちゅう見れるものではない。一人の夜に号泣できる環境を作ってから見てほしい!!

ポイント

・なんども言うけどロケーションがすごい

リアリティとファンタジーの綴れ織りのセンスがすごい

美味しそうなものが出てきます。

色へのこだわりがすごい 詳しくは→ 町山智浩 映画『ムーンライト』を語る

監督:バリー・ジェンキンス 脚本:バリー・ジェンキンス 原作/原案:タレル・アルヴィン・マクレイニー 2016年アメリカ映画 出演:トレヴァンテ・ローズ アンドレ・ホランド ジャネール・モネイ アシュトン・サンダーズ ナオミ・ハリス マハーシャラ・アリ 他

世田谷パブリックシアター「高丘親王航海記」終演

年が明けてから京都で一週間、そして世田谷での数日間、夢の世界の住人でした。

舞台袖から出番を待つダンサーと、装置の移動や各種合図を送るスタッフの皆さんがそれぞれの定位置でスタンバイしているのが見え、

全てがとどこおりなく進行し、舞台に関わっている全員が自分の仕事を全うしている光景がとても美しかった。

 公演本番はもちろんですが、ご一緒させていただいたダンサーの皆さんが、踊りへどう向き合って来られたかが、リハーサルや劇場入りしてからの過ごし方のはしばしから伺えて感動しました。とても得難い経験をさせいていただき感謝です。

 

天井が素敵な世田谷パブリックシアター
京都ロームシアターから世田谷に運ばれる虎

世田谷パブリックシアターに向かう途中、何気なく考えごとをしていました。記憶と存在についてです。

例えば亡くなった人の思い出が薄れていくことを寂しいと感じたり、自分を薄情だと思ったりする感情があります。

ですが、もしかしたら「思い出が薄れていく」という視点は単なる言い方の問題であり、実は故人が個であることをやめて、太陽の光や、水や空気などの、いわば記憶という人間特有の時間軸から解放された存在となることだと捉えることもできる。

そこにあることが普通すぎて、別段気にもかけないようなものにこそ自分は絶対的に恩恵を受けているのだと思います。

時間から解放された死者たちの記憶によって成り立っている、この世界の不可視な部分。今回オイリュトミーでは水、風、火をモチーフにしたシーンがありましたが、そんなことも考えながら努めさせていだきました。

ご来場下さいました皆様、誠にありがとうございました。

バティックさんとの楽屋が楽しかった…!

お正月はゾンビ映画を

ゾンビという状態にイマジネーションをかき立てられる

2019年あけましておめでとうございます。

年末はありがたく、晦日までお稽古させいただき、年始は数日間おやすみでしたので映画を数本見ることができました。その中から面白かったゾンビ映画を数本ご紹介。

アイ・アム・レジェンド

 この映画のゾンビ初出シーンがなんだかものすごく良く、なんというかワクワクし、暴力的であり、そこはなとなく魅力的でした。

初めて「もっとゾンビを!ゾンビのシーンをください!」という気持ちになり、見終わった後もゾンビのことしか考えられないほど、この映画の最初のゾンビの出し方は秀逸であり興奮させられました。

気になった方はぜひご覧ください。

トピックス

リチャード・マシスンのSF小説『地球最後の男』が原作である。

犬が重要な役回りで出てくる。

監督 フランシス・ローレンス 2007年アメリカ映画 出演:ウィル・スミス他

早く次のゾンビ映画を!ということで

ドーン・オブ・ザ・デッド

 言わずと知れたジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』(原題”Dawn of the Dead” 1978年)のリメイク版。

 ゾンビといえばショッピングモール、ショッピングモールといえばゾンビというくらいジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』は有名ですよね。

 主人公たちが逃げ込んだショッピングモールに集まってくるゾンビの群れ。1978年当時は第二次オイルショックが予想される中で、生活必需品を求めて人々が右往左往する姿をゾンビに重ねたのかもしれません。  

しかし現在、ショッピングモールの屋上から地上を埋め尽くすゾンビの群れを見ると、東日本大震災の津波の情景を思い出してしまいます。自分の命が危ぶまれる状況が押し寄せてくるという意味ではゾンビも自然災害も同じです。

作品では主人公たちは港まで逃げて船で新しい地を求めて出航しますが、果たしてどこへ辿り着くのでしょうか。

トピックス

主人公の女の人が精神的にものすごく強いタイプなところに救いがある。

犬が重要な役回りで出てくる。

朝起きると平穏な日常が一変しておりその理由は一切説明されない形式。

監督 ザック・スナイダー 2004年アメリカ映画 出演:サラ・ポーリー ヴィング・レイムス他

ワールド・ウォーZ

こちらはちょっと上記二作のゾンビ映画とは違ってサスペンス色が強いので、ゾンビのビジュアルが苦手な人でも楽しめる作品となっています。

とにかく普通のゾンビ映画と違って規模が大きく、地球規模でゾンビ状態の人々が多発する。「マトリックス」と「進撃の巨人」の主人公が「ミッション・インポッシブル」のトム・クルーズのような超娯楽大作です。自然破壊や資本主義経済への批判を匂わせる描写もありながらコマーシャリスティックご都合主義感も存分に盛り込まれており、きっといろいろ予定外のことが起こって撮影大変だったんだろうな、と思いつつ、見ているとあっという間に2時間経っています。

トピックス

続編が今年6月に撮影開始される予定がある。

監督 マーク・フォースター 2006年アメリカ映画 出演:ブラッド・ピット他

年末だけどいつも通りに

年をかさねて以前よりもオイリュトミーの稽古ををする時間が特別なものになっている。まず踊ることができるということが幸せ。さらに一人でなく他の人と一緒に稽古するという経験がとても貴重。自分を保ちながら他人を尊重できるような稽古ができれば良いが、なかなか難しい。でもあせらず時間をかければうまくいく。

『高丘親王航海記』公演 チケット情報

『高丘親王航海記』公演  チケット情報

<東京公演>

日程
2019年

1月24日(木)  19:30開演
1月25日(金)19:30開演
1月26日(土)15:00開演
1月27日(日)15:00開演

※開場は開演の30分前

東京公演チケットお取り扱いははこちら

会場
世田谷パブリックシアター
(東急田園都市線 三軒茶屋駅前 キャロットタワー内3階)

公演ホームページ

<京都公演(世界初演)> 無事に終了いたしました。

日程
2019年
1月11日(金)  19:00開演
1月12日(土)  15:00開演
※開場は開演の30分前

一般 4,000円 ユース(25歳以下) 3,000円
開場
ロームシアター京都 サウスホール



こんな先生いたら最高だな スクール・オブ・ロック

スクール・オブ・ロック

テンションが高い小学校の先生っていいよね

エリート小学校の子どもたちに担任教師(本当は売れないバンドマン)がロックの真髄を伝授する。ネガティブになっているときこの先生の授業を思い出すと元気になれる!リチャード・リンクレイター監督作。

とにかく熱いロック好きの主人公はジャック・ブラック先生。友人役のマイク・ホワイト(この映画の脚本家)との人生の対比が、楽しく時にほろりとさせる。

華やかなライブステージのみならず、照明、装置、アーティストマネージメントなどの興行の全てを生徒たちに伝授。それが包括的な実践教育となっている。

実利主義に陥りがちな昨今の学校教育を勇ましく批判しつつ表向きはとにかく楽しい娯楽作。

 

トピックス

・はちゃめちゃな主人公にはモデルとなった人物がいる▶️ ロック馬鹿の音楽塾講師、開校から約10年でトンでもないことになっていた

・バンドメンバー役の子供たちの音楽指導はジム・オルークがつとめた!その光景も見てみたい。

・作品内のロック史の授業で出てくるロックバンド相関図はリンクレイター監督自身が書いたものだそうです!! ▶️ スト-リ-オブロック(スクールオブロックの黒板)

・映画を見た後にこちらも見ると「おお〜!!」となります。▶️ 映画「スクール・オブ・ロック」のキャストが10年ぶりに集結!

 

監督 リチャート・リンクレイター 2003年アメリカ映画 出演:ジャック・ブラック マイク・ホワイト サラ・シルバーマン 他

 

Suica導入から今日で17年

Suica導入から17年

2001年11月18日にSuicaのサービスは開始されました。今からすると信じられない光景ですが、まだ小さな駅では入り口で切符を切ってくれる駅員さんがいました。冬など寒い時期には駅員さんの吐く息も白く「いってらっしゃい。」「おかえりなさい。」と声をかけてくれることも珍しくありませんでした。

導入後しばらくはSuicaを使い始める人と切符を使う人が混合していました。

私も行動履歴が残ることに違和感を感じてSuicaをしばらく使いませんでしたが、そ2010年頃にはSuicaを利用していないと不便なことも多くなりSuica使用がだんだん増えていきました。2018年現在、Suica利用は私の中でも完全に定着し、電子マネーとして利用することも多くなりました。

iPhoneは日本発売11年目

さて、iPhoneはというと初代機種の発売が2007年6月29日。2011年以降の数年間で日本人のスマートフォンの保有率は60%ほどまで上昇。20~30代では90%以上の保有率となっています。

これは毎日の通勤での光景で納得ですね。

2008年頃はiPhoneが『2001年宇宙の旅』のモノリスに見えたものでした。たった10年ほどの間でここまで多くの人が使いこなしているのは本当に驚きです。

Suica導入から17年、iPhone初代発売から10年が経過

携帯電話以外のwi-fiなどの契約も含めると日本の人口比で181%の契約率。一人がほぼ一台以上のモバイル機器を契約していることになります。

携帯電話の移動データの蓄積から興味深い分析も出ています。

東京の都心5区への通勤者の多く住む上位50駅

携帯電話の電波を追って、最も滞在時間が長い場所を自宅、次に長い場所を職場として出された統計だということです。このデータを見て、私自身、機器に不具合が起こった時以外は携帯電話の電源を切ることは稀であることに気付かされました。ちょっとした動作なのですが、就寝時さえ電波を切ることは億劫になってしまっています。

このような解析が可能になったのも17年のデータの収集実績の成果なのでしょう。すごい時代になりました。

これから

ついこの間、トヨタとソフトバンクが新しい移動手段に関するサービスで業務提携することがニュースになりました。

自動運転には実際に人を乗せて車道を走る車に関する技術と、膨大なデータ処理技術の両方が必要ということですね。正確に自分の位置情報を把握しておくことが安全な自動走行に必要不可欠です。

マイクロチップの人体埋め込みも新しいサービスとして注目されています。現在はデジタル決済などが主だった機能ですが、近い将来自分の体調を平均的に保つ医療機能が付加されるかもしれません。

免疫系を監視し、病気になりにくい身体が実現。健康監視チェッカー商品を比較的安価な値段で自分の体にインストールし、飛躍的に寿命が伸び医療費は低くなる。しかし、本来の自分の「対処力」、元々持っている消化力だとか、抗菌作用だとかは自ずと退化していかざるを得ないでしょう。

また、AIの台頭により人間の仕事が減り健康で長生きできるとしたら、今、会社に行っている時間を何に使うでしょうか。

様々な面で、義務でなく自由意志で行動していくことが増えそうです。

 

サウス・セントラルLA

サウス・セントラルLA

199年のロサンゼルス暴動を調べている時にNetflixにあったので見てみました。

タイトルからしてロサンゼルス暴動を描いたものかと思ったが全く違った内容。

イケメン青年のファンタジックな成長譚

親の脛かじりのイケメン青年が恋愛や友情などのいろいろな問題を乗り越えながら自立していくという青春ドラマ。その中でも多少ギャングの抗争が描かれるが、どちだかというとファンタジックな成長譚として楽しめた。

主人公の彼女の元彼役(刑務所帰り)でスヌープ・ドッグが出演している。

『LA 92』 1992年ロサンゼルス暴動の記録

【ナショジオ】「LA 92」(人種差別問題とアメリカ)

ロドニー・キング事件を発端に1992年にロサンゼルスで起こった暴動のドキュメンタリー。

1992年当時、ロサンゼルスで夜間外出禁止令が出ているというニュースを見た覚えがありますが、実際こんな大規模な暴動が起こっていたとは全く知らなかった。

20年以上経ってファッションショーの映像に使われていた音楽からこの動画にたどり着けてよかった。

以下の二つのブログがとても興味深く参考になった。

アメリカで暮らす:黒人、音楽、カルチャー

当時のサウスセントラル地区について詳しいブログ

アメリカ滞在記 ロサンゼルス1994

1994年にロサンゼルスに永住しようとした若者の記録

自分もこの時期にアメリカに渡っていたら…と想像しながら一気に読んでしまった。

LA 92 (2017)

前情報を知らずに見たい「カメラを止めるな!」

カメラを止めるな!のおさまらない興奮

SNSであまりにも話題になっていた今作。普段から発言をチェックしているコアな映画ファンのアカウントも、こぞって絶賛のツイートをしていました。これはぜひ見に行かなければ!さっそく映画館へ。

憂慮していた3点

今回、口コミ情報から間違いなくおもしろい作品であることは確信していたのですが、若干の憂慮がありました。というのは…

1.「血糊」がすごそうな映画であること。「あまりにもグロテスクだったらどうしよう?」

2.「映画の撮影」がキーポイントになっている映画であるということ。「入れ子構造が複雑過ぎてわかりにくかったらどうしよう?」

3.「ゾンビ」が関わっていること。「B級過ぎる通好みの映画だったらどうしよう?」

私は母を誘って見に行ったのでそんなことが心配だったのですが、すべてまったくの杞憂に終わりました!むしろ見終わった後は、母が率先して「カメラを止めるな!」を特集している映画雑誌はないかと探していました。

分かりやすすぎてつまらないかと思われるところに驚きの仕掛けが、複雑すぎるかと思われるところはセンス良く簡潔に演出され、全てが想像以上、良い意味で裏切られ続ける快感に拍手喝采を送るしかない傑作でした。

展開しながら進化・深化する多重構造

すでに見た方はご存知のように(見てない方はこの先ネタばれがあります…)、

この映画にはあっと驚く仕掛けがありますよね。映画の構造自体が近視眼的な第一段階目の視点から、三段階の引きの視点に展開していくのと同様、登場人物の描写もどんどん深く展開してくる。

まず、前半ゾンビ映画の主役男女においては、恐ろしい監督に執拗に責められる、か弱くも真摯に役作りに励む女優と、それをサポートするように見えながらも実は女優に言い寄る少々頼りない男優、というステレオタイプな関係性が描かれます。

その構図がはっきりと示される劇中劇中盤。女性はより原初生命的な素の存在として、男性はより儚い夢のような存在としてそれぞれが一定のキャラクターを確立。

さらに後半になると前半の関係性が反転し、女優のしたたかさ、男優の朴訥さ(少々ずれてはいる)の表現へと鮮やかに置き変わる。というように、一つの作品の中で、同じ俳優が複数の角度から切り取られ、同一存在の中の別人格が次々に浮き上がってくるという変幻のおもしろさがある。

折り重なる物語

後半のドラマ部分が始まると登場人物に一気に親近感が増してくる。特に主人公の監督役の俳優(濱津隆之)を応援せずにはいられない。そして撮影クルーとしてそれまでカメラのこちら側に隠れていた裏方的な人物が次々と主役のように輝く瞬間が用意されており、その輝き方がまた感動的なのである。

特に印象深かったのは撮影の進行役を務める撮影マネージャー的な役割の女性(演じるのは吉田美紀)。自分はモニターの前にいて直接撮影に加わらないが、撮影スタッフ全員の行動を把握していて、進行通りに進んでいないところに指示を出し、ノーカット撮影が滞りなく運ぶように監督しているという役所だ。最も大きな危機を乗り越えた場面の、この女優さんの押さえた演技が、緊迫した状況の中での深い安堵を感じさせ、むしろより熱い、感動的なシーンとなっており、私の好きなところでもある。

撮影をなんとしても続行させなけれなならないという事情ゆえに、周囲に死屍累々たる光景が築かれつつも聖火のように担われていくカメラ。そしてカメラの通り道をつなぎ続けるスタッフたち。彼ら全員の意思が奔流となり、いつしか見ている観客も轟々と逆巻く流れに巻き込まれた撮影クルーの一員であるかのように神聖な気持ちになって成功を祈らずにいられない。さらにその神的感動はブラックスプロイテーション映画のサントラ曲のようなファンクサウンドに彩られた第一級のドタバタコメディとしても成立しているという痛快さなのである。どんな年代の方でも楽しめる所以です。

「カメラを止めるな!」フランスで公開決定

今作は必ず今後も多くの映画館で長期上映されるでしょうし、映画史にも残る作品ではないかと思います。ぜひまだ見ていない方は映画館に足を運ばれるよう強くおすすめいたします!

 

おまけ情報

どんなにおもしろい映画でも一般1,800円は高いなと思ってしまいます。今回はイオンシネマでの鑑賞でしたので、「みんなの優待」利用で400円引きで見ることができました。このサービスに限らず、今はどこ系列の映画館で見るかで探せば何かしらの割引があるようです。また月曜や水曜にサービスデイを設けている映画館も多いのでうまく利用していきたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

アメリカン・スリープオーバー 青春の気まずさが余すところなく

 

午前3時、眠れなくてもう起きてるしかないと決意して、なるべくどうでも良さそうな映画を選んで「アメリカン・スリープオーバー」を見始めたら思いのほか感動してさらに眠れなくなったので報告しますね。

 

スリープオーバーすなわち「お泊まり会」

アメリカでは高校生が折に触れて「お泊まり会」というのをやるらしい。

卒業してこれから新しい環境での生活が始まるタイミングや、入学前の不安でドキドキワクワクな時期に親睦をかねて誰かの家(必然的に豪邸とかある程度広い家ですね)に集団でお泊まりするのである。

 

こと細かに描かれる青春の気まずさ

この映画ではそんな一夜が開けるまでの複数の男女のそれぞれの物語が描かれている。自分の寝袋を持って続々とお泊まり会場に集まってくる高校生たち。

 

 

慣れないピッチでお酒を飲んで吐いたり、大麻を吸ったり湖水で泳いで語らったり。女の子同士の噂話や、肝試しからのカップル誕生、成就することのない恋魅惑的だが同時に逃げ出したくなるようなアンビバレンスな場面の数々が繊細に描かれます。

少しばかり出てくる大人達はぼんやりした存在であり、「夢の番人」さながら居眠りしている。少年少女たちと大人の中間としての存在である「お姉さん」の描かれ方も興味深い。

音楽も青春映画にぴったりの切なく儚い美しいメロディの曲がたくさんで楽しめる。最近聴いてキレイな声だなと思っていたBeirut。このボーカルの人のへろへろした声が好き。

目は光の器官

親密な会話やほんの少しの間。誰にでもある、しかし誰とも共有できないパーソナルな空気感が余すところなくとらえられている。また交錯する視線のビームが綾なす瞳の映画でもある。ヒトの目が器官であることをあらためて思い出させられた。映画は光の芸術ですね。

 

大海の前で泳ぎを覚える小魚のような、危なっかしくも神々しい若者の姿が眩しすぎて直視できない奇跡の青春映画です。

監督はデヴィッド・ロバート・ミッチェル。1974年生まれ。出演の俳優陣はほとんど経歴がありません。どうやってキャスティングされたのかも気になるところ。

ポイント

  • 伏線のエピソードが全て収束するアルトマン系の爽快感
  • 水関連の描写が印象的
  • 眠れない夜にぴったり!

 

『アメリカン・スリープオーバー』 2010年アメリカ映画  (原題 The Myth of the American Sleepover ) 監督 デヴィッド・ロバート・ミッチェル 出演 クレア・スロマ、マーロン・モートン、アマンダ・バウアー、ブレット・ジェイコブセン、ジェイド・ラムジー 他

LOHACOで買い物をしてみた

今期の猛暑

今年の夏は本当に暑かった一夏を生き抜いたという感がある。
部屋を締め切ってエアコンを19度に設定しても涼しさを感じられない夏というのは始めてだったのではないだろうか。普段は常温で飲む水も冷蔵庫へ。とにかくからだの熱を下げないと命の危険を感じるほどだ。

ネット通販を初めて利用

そんな状況なので水も頻繁に買い足す必要がある。そこで初めて生活用品インターネット通販を検討。

LOHACOだと1,900円以上の注文で送料無料になる。

さっそく水2ℓを5本豆乳6本液体洗剤などの生活必需品をまとめて購入してみた。Tポイントに対応している。決済はカード。パソコン上で商品を選びカード情報を入力するだけで部屋にいながら重い荷物を受け取れるという便利なサービスである。

注文後、早ければ翌日届く。だが仕事の関係で日中受け取れる日を設定して数日後に受け取り日を設定。

荷物が届く

 

大きめのダンボール箱が届いた。すぐに中を確認すると注文の品がコンパクトにまとまっている。この暑い中、重い水のストックがあるというのはとても心強い。しかも価格も近所の店舗で購入するより安価な商品も多くある。これは利用しない手はない。

ただ一つ気がかりなことがある。配達してくれる人のである。

 

ネットショッピング利用世帯は年々増加

うちはエレベーターなしの3階。

荷物の重量は、中身がほぼ液体なので換算16〜18キロくらい。それを人の手で運んでもらうことになる。

配達員さんはかなりの負担であることは間違いない。実際、笑顔で対応してくれるが重さが堪えている様子も否めない。

総務省統計局によれば2018年6月のネットショッピング世帯割合前年比4.8%増39,o%とのことである。電子マネーの普及やそれに付随するポイントサービスの多様化に伴ってさらにこの割合は増えていくと思われる。

そのうちドローンマンションの高層階に荷物を配達する姿が当然のように見られるかもしれない。

 

全ての人に都合の良いサービスとは

しかしそれまでは「それが仕事なのだ」と割り切って重いモノをどんどん頼むか、重さに配慮した注文をするか頭を悩ませなければならなそうだ。

いったいどちらの態度を取るのか? などと考えていると、買い物をすること自体がストレスになりかねない。またそんなことを考えるくらいなら毎日こまめに買い物をするほうがいいというナイーブな選択も可能だ。

いずれにしろ、買い物へのアティチュードという問題と向き合いつつ、その都度状況を判断して利用していくしかないと思っている。

なかなか全ての人が満たされるということは難しいものである。

実話が基になったダラス・バイヤーズクラブ

見逃していた傑作

『ダラス・バイヤーズクラブ』を観ました。

ツイッターを何となく見ていたらこの映画をおすすめしている人がいて、ピンと来たので早速見てみました。そうでもなければ絶対に見逃していた映画だったのでありがたい。これを見逃していたなんて、、、とヒヤリとしました。ツイッター本当にありがたいです。

タイトルこそ聞き知ってはいましたが、2014年、この映画を見ないで私は何をやっていたのだろう? というほどの衝撃でした。

 

 

20キロの減量?!

主演は「インター・ステラー」マシュー・マコノヒー。映画が始まってしばらくしてから「もしかして…マコノヒー?」というくらい誰かわかりませんでした

役者というのは本当にすごい職業ですね

私は名前しか知らなかったのですが、この映画で重要な役どころを演じているジャレット・レトという俳優さんも、同じく役作りのために激しい減量と増量を繰り返し体に不調が出るほどだという事です。見た目は華やかな俳優業ですが大変そうです。

 

 

「ダラス」「カウボーイハット」「バイヤー」と来れば思い浮かぶのはウォーレン・オーツの「コックファイター」です。

 

 

しかし「ダラス・バイヤーズクラブ」では「コックファイター」のような楽天的な雰囲気はあまりなく(いやかなりあるといも言える)、話は思いがけない方向に展開。

「してやられた!」感というか、気軽に見始めたのに、気付いたら自分を試されるような場面に何度も立たされていてる。主人公に感情移入して見ざるを得ません。

主人公のロンが強者から最も弱い存在に、そしてさらに変化していく中で様々な人に出会います。脇役の人たちもみんな一クセあって目が離せない。そんななかで主人公を演じるマコノヒーの演技力がひときわ冴え渡ります。

こんな時自分はどうするのか。

考えてもわからないことだけれど、映画のなかでは主人公と同じ境遇を生きている。夢の中の自分も自分なら、映画の中の人間も自分だと思って体験するのが映画を観る醍醐味かと思います。

映画館で見ていたらしばらく立ち上がれないだろうと思います。そういう意味では家のパソコンで見てよかった。一人で見たので人目を気にせず号泣です。

内容を知らなければ知らないほど大きな体験になる、そんな映画ですね。ぜひ見ていない方は見てください。

 

魂をワシづかみにされました。

 

マコノヒーは肉体美らしく、出演作では必ず脱いで肉体を誇示するというのが有名。それを知るとまた今回の映画が意味深いものになってきます。

さらに2016年の「ゴールド/金塊の行方」では、また20キロの増量ということです。おそらく体調管理が完璧だからこそこんなこともできるのでしょう。自分の体を表現のための道具のように変化させるというのはとても興味深いです。

 

 

 

「コックファイター」との類似点

あとで「コックファイター」の予告編だけ見直したら、そっくりな画が出てくるので、監督は影響されてるのかなと思いました。

トランクをいくつも持って歩いている姿や、牛と鶏の違いはありますが、勝負の物語でもありますし。似た要素がいくつかあります。

気になった人はぜひ「コックファイター」も見てください。こっちもめちゃくちゃおもしろいです。

 

発見

マシュー・マコノヒーがどことなく窪塚洋介に見える

 

今回はnetflixで見ました。

『ダラス・バイヤーズクラブ』(Dallas Buyers Club)2013年アメリカ映画
監督 ジャン=マルク・ヴァレ 出演 マシュー・マコノヒー ジャレッド・レト ジェニファー・ガーナー 他

《阿吽山水 A HUM SAN SUI》特設ホームページ

鯨井謙太郒新作公演期間限定特設ホームページが公開されました!

 

《阿吽山水 A HUM SAN SUI》

シアター・バビロンの流れのほとりにて 

11月9日(金) 19:30
11月10日(土) 15:00/19:30
11月11日(日) 15:00 ★ ※開場は開演の30分前。

★の回はアフタートークあり。

こちらの公演は 〈東京バビロン的ダンスコレクション2018〉参加作品となっています。


映像撮影・編集|野本直輝          映像音楽|藤田陽介 

今年の6月始め、深夜から明け方にかけて、プロモーションビデオの撮影を行いました。深夜の誰もいない東京駅周辺でのゲリラ的な撮影でしたがとても良い経験でした。

 

撮影は翌朝の朝8時頃に終わりましたが、丸ノ内のサラリーマンが続々と出勤する中にまぎれこんだ白塗りの奥山ばらばさんがとても映えていました!

 

外国人観光客に写真を撮られたりする場面も。この日通りかかった方はラッキーだったのではないでしょうか。

 

公演情報

鯨井謙太 新作公演 《阿吽山水 A HUM SAN SUI》
構成・演出・振付・出演|鯨井謙太
振付・出演|奥山ばらば
音楽・出演|藤田陽介
空間美術|TOJU

堕ちていくようで、浮いている。
脱けていくようで、迎えている。
消えていくようで、生まれている。
闇になっていくようで、光っている。
異空の四者によって出現する「阿吽山水」の宇宙。

 

今回、私は制作スタッフとして関わらせていただいておりこのホームページを作りました。専門知識がなくてもグーペを使って簡単に作成できました!

グーペ】デザインを4000パターン以上から選べるHP作成サービス

 

公演チケット現在発売中
トークのある11月11日(日) 15:00 の回が人気です。

<チケット料金> 

前売 3,000円
当日 3,500円
U25割引 2,500円

〈ご予約・お問合せ〉info@kujiraikentaro.com (コンペイトウ企画室)

ご予約お待ちしております。

 

〈会場アクセス〉
シアター・バビロンの流れのほとりにて
東京メトロ南北線「王子神谷駅」 徒歩12分 東京都北区豊島7-26-19 【Webサイト】http://www.tokyobabylon.org

主催:東京バビロン
共催:KENTARO KUJIRAI コンペイトウ

制作:コンペイトウ企画室

 

 

 

アウトロー

アウトロー

トム・クルーズ主演の2014年作、『アウトロー』を観たので感想を書きますね。

 

超人的なキャラクターを楽しむスター映画

今回観たのは、クリント・イーストウッドの「アウトロー」ではなく、トム・クルーズの方の「アウトロー」です。

 

主演がトム・クルーズということもあり主人公が超人的な能力の持ち主です。主人公が決して死ぬことがないので安心して見られるのが娯楽映画の良いところですよね。

 

トム・クルーズ主演作の娯楽大作といえば「ミッション・インポッシブル」シリーズが真っ先に思い浮かびますが、こちらの映画もあまりに出来過ぎな人物を違和感なく演じてくれています。

 

こだわりのロケーション

 

監督は「ユージュアル・サスペクツ」の脚本家であり「ミッション:インポッシブル/ ローグ・ネイション」の監督でもあるクリストファー・マッカリー

 

ローグ・ネイションミッション:インポッシブルシリーズの中で最も好きな作品なので期待が高まります。

 

なんていうこともない田舎街の風景がなぜか印象的。

 

「ユージュアル・サスペクツ」もそうですが、1950年代っぽいアメリカの建物が多く映るのがなんだかホッとして嬉しい。この監督の映画の中のそういった古き良き時代のアメリカ文化への愛着を感じます。

映画の中に映された街並みも変わっていきます。古い映画にはさらに古い建物が映っているので最近はそれを見るのも映画を見ることの楽しみの一つです。

監督自身のポートレイトを見てもこだわりを感じます。わざと大監督に見えるような作った表情で写っている(ように見える)、いたずら心に好感を持ってしまいます。

 

 

「ユージュアル・サスペクツ」を観たときも印象的だったのが、出てくる刑事さんの衣装1950年代風のシャツおしゃれなこと。スーツの立ち姿やサスペンダー使いがものすごく決まっています。そんなところもマッカリー監督作の見どころです。

現在公開中の「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」もマッカリー監督とトム・クルーズがタックを組んだ作品なので、ぜひ公開終了前に映画館に足を運ばなければ!

西部劇の面白さ

名優ロバート・デュバルが出てくるあたりから話がグッとおもしろくなり、引き込まれます。。後半の場面設定が妙に西部劇っぽいと思ったらマッカリー監督は西部劇ファンだそう。

 

ポイント

・「ゴーン・ガール」ロザムンド・パイクが清純派ヒロインを演じている。地味で世間知らずのお嬢様弁護士役で爽やかな魅力を発揮しています。この映画の2年後に「ゴーン・ガール」で大変身を遂げました。

・ ヴェルナー・ヘルツォークが気合の入った得体の知れない捕虜引揚者を怪演。

 

今回も【TSUTAYA online】で観ました。

 

アウトロー』(原題: Jack Reacher)2012年アメリカ映画 監督 クリストファー・マッカリー 出演 トム・クルーズ ラザムンド・パイク ヴェルナー・ヘルツォーク ロバート・デュバル 他

 

ジョン・ウィック

ジョン・ウィック

 

キアヌ・リーブス主演の2014年作、『ジョン・ウィック』を観たので感想を書きますね。

キアヌ・リーブス主演のアクション映画

公開時、あまりおもしろくなさそうな印象を勝手に持っていましたが全然そんなことありませんでした。

 

キアヌ・リーブスといえばマトリックスシリーズを未だに思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。マトリックスほどではないにしても動きのキレがやはりさすがです。

 

この作品もアクションに魅せる動きが多々盛り込まれていて面白い。また銃撃シーンも裏方スタッフは大変なのでは、という見所がたくさん。こだわりのアクションシーンの連続です。

 

 

話は一見単純な復讐ものですが、それだけに壮大なテーマ性が、かなり大袈裟なアクション描写になぜかマッチし、力技で感動させられました。

 

味わい深い悪役

2017年に亡くなってしまったスウェーデンの俳優ミカエル・ニクヴィストが悪い方の親分役を演じています。

 

 

 

『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』シリーズから『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』への出演で、これからもハリウッド映画で沢山姿を見られると思っていたので昨年の急逝は残念でした。

この役柄だと津川雅彦にそっくり。めない悪役です。二人とももう映画でしか見られない俳優さんなのが寂しいところです。

 

夢のようなホテルが出てくる

殺し屋専用の高級ホテル「コンチネンタル・ホテル」。幽霊屋敷のようなゴシック感あふれる建物はまるでファンタジー映画を見ているかのよう。

 

なぜか専用のコインでしか泊まれないなどの細かい設定が楽しい。

 

まとめ

『マトリックス』シリーズを彷彿とさせる身のこなしで『マトリックス』がまた見たくなる

『マトリックス リローデッド』のキー・メイカー役の俳優さんが出ている!

『マトリックス』などでスタントやコーディネーターを手がけたチャド・スタエルスキーの初監督作品である

『マトリックス』シリーズが好きな人は絶対楽しめる

 

【TSUTAYA online】で見ました

ジョン・ウィック』(原題: John Wick)2014年アメリカ映画 監督 チャド・スタエルスキー 出演 キアヌ・リーブス ミカエル・ニクヴィスト ウィレム・デフォー ジョン・レグイザモ 他

 

 

感覚に木枯らし

近所を歩いていると世代交代による景観の変化を感じる。

 

古くて大きな家がいつのまにかなくなって時間貸し駐車場になっている場合などである。

 

見慣れた光景がさりげなく、だが頻繁にアップデートされ、それに対して特に感傷に浸るひまもない。

 

「あ、そうなんだ…」と思うだけである。

 

何においても変化が激しく、およそ現実感というものが希薄である。

 

感覚を知覚している目や耳などの器官も街の風景同様、経年によって見えなくなったり聞こえなくなったりする。

 

確かなものは何一つないが、不確かなものも何一つない。

 

そんな感覚がしっくりくる昨今である。

 

 

ディスクユニオン立川店

本日は持て余していたレコード等を売りに行ってみました。

 

ディスクユニオン立川店

 

久しぶりにレコード屋さんに入りましたが、なんだか昨今の時代に逆向するような昔ながらの光景が繰り広げられており心が安らぎました。

 

静かな熱気を溢れさせつつひたすら商品を選んでいる人しかいない店内。

 

この実体感が希薄になったデータ時代にレコードやCDなどのモノに真剣に向き合っている姿になにか感動を覚えました。

きっと良いスピーカーとか持っているんだろうな。

 

店員さんの貫禄

また店員さんも本当にキャラが濃く、そのまま映画に出ていてもおかしくないほど「レコード店の店員さん」でした。本当に音楽を聞くことが好きで自分でもバンドやったり音楽作ったりしてるんだろうなと勝手に想像してしまいます。

 

 

店内でこういうイベントやってほしいです!

 

査定が終わるまで1時間ほど待ち時間があったので、前半だけ読んでいて続きが気になっていた平野啓一郎さんの空白を満たしなさいを中央図書館で、最後まで読むことができました。

結果

さて査定結果ですが、「2,000円以上だったら手放そう」と持って行った20数点でしたが、「買取20%アップ中」ということもあり5,000円くらいになりました。よかった!

 

 

 

 

 

久しぶりにレコード屋さんに行ってみて、やっぱりモノの良さってあるよなと漠然と思いました。ですがモノにこだわることがますます贅沢になってしまっている現代ですね。

 

 

古本の場合

本を整理したい時はネットオフを利用しています。

近くに懇意の古本屋さんがあればちょくちょく持っていきたいところですが、なかなかそうもいかず。

一気読みしてもう一度読むことはなさそうな本や、読みたくなったらどこでも入手できる本がある程度溜まったら発送するようによけておきます。

 

適当な大きさのダンポール箱に本を詰めて集荷してもらうだけなので本当に楽。
事前に専用ダンポール箱を届けてもらうことも出来ます。

査定が終わり納得のいく額であれば買取成立となり、希望の口座に料金が振り込まれます。
近くに古本屋さんがない場合や、重くて持っていけない時は便利です。

 

 

 

ヘイル、シーザー!

ヘイル、シーザー!

知的な大人のコメディ

コーエン兄弟の2016年作、『ヘイル、シーザー!』を観たので感想を書きますね。

 

三枚目役

ジョージ・クルーニーって二枚目俳優と思っていたらこういう役もする人なんだ!ハリウッドゴシップで有名だからなんとなく偏見持っていましたが、以外と好感持てました。

他にはコーエン兄弟作品常連のフランシス・マクドーマンド、ティルダ・スウィントンも出演シーンは少ないけれどコミカルな演技で魅せます。

好きな俳優と監督が増えると作品探しも楽しくなりますよね。

ハリウッドの赤狩り

「ハリウッドの赤狩りのことを知っていれば何倍も面白いんだろうな。」と鑑賞後に感じたので…

検索してみたらやはりそんな1950年代の赤狩りの雰囲気がこの映画に散りばめられているそうですよ。

ですが観ている間は意味ありげな奇妙な印象を受ける描写(へんな人がとにかくいっぱい出てくる)だけで、ほとんどオツな部分がわからなかったのが残念。時代背景を知っている人ほど面白さ倍増、そんなところもコーエン兄弟らしい作品です。

 

↓この記事がおもしろかったので映画を観た人は読んでみると良いかも!

町山智浩『ヘイル、シーザー!』『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』を語る

 

 

おすすめポイント

・劇中にいろいろな映画の撮影現場が出てきて華やか!

・どちらかというと趣味の良い知的な作品という感じで気楽に見られる。

・大人のコメディ

・後でじわじわくる系

 

 

ヘイル、シーザー!』(原題:Hail, Caesar!) 2016年 アメリカ映画 監督 コーエン兄弟 出演 ジョシュ・ブローリン、ジョージ・クルーニー、スカーレット・ヨハンソン、ティルダ・スウィントン、フランシス・マクドーマンド 他

 

netflixで観ました。

メソッド演技

メソッド演技

映画好きで大学は武蔵野美大の映像学科に進学しました。
美大に進学する前は役者志望で、高校卒業後、まず玉川大学の演劇専攻に進学しました。

俳優を目指したきっかけはオリバー・ストーン監督の『7月4日に生まれて』という映画です。

俳優の仕事

この映画が好きというよりも、主演のトム・クルーズ(公開時若干27歳)が退役軍人役にのめり込むあまり、眉毛や髪を抜いてまで挑んだということに激しく興味を覚えました。

ハンサムな若手俳優がそこまでのめり込む「魂の高揚」が俳優という仕事にはあるのだということに衝撃を覚えました。

それからはリー・ストラスバーグのメソッド演技の本を買って独自に演技の稽古を始めたのですが、この本がとても面白い!

(↑現在とても高い値段になってますので、興味のある方は図書館などで探してみてください。)

 

この本にはスタニスラフスキーシステムをハリウッドで教えていたリー・ストラスバーグのクラスの練習方法が克明に書いてあります。

マリリン・モンローやジェームズ・ディーンもこのクラスで演技の練習をしており、映画好きの人なら絶対面白い本です。

メソッド演技とは

メソッド演技の技法によると、役者はイマジネーション(いわゆる嘘)から本当に身体感覚を変化させなければならず、真夏の太陽の下にいる役どころであれば、冷房の効いたスタジオににても汗をだらだら流さなければいけないのです。

私もこの本を紐解きながら自分なりに練習していました。これをやると自律神経が整う感じがあり今でも役立っています。

最近なかなか映画館に足を運ぶ時間がとれません。

映画を見ないと次第に感覚がぼんやりしてきてしまうので、家でもなんとか3日に一本くらいは見たいです。

90分〜120分の映画が見れなくてもテレビドラマならもっと気軽に見られるかとFODプレミアムに入ってみました!

フジテレビ公式動画配信サービス【FODプレミアム】

最近のテレビドラマはうっかりしているとかなり面白かったりするので見逃しチェックしたいと思います。



野口泉 オイリュトミーワークショップ 9月

野口泉 オイリュトミーワークショップ 9月

その日に来た方に合わせて内容が変わります。
初めての方もお気軽においでください。

内容
・言葉のオイリュトミー

 

9月23日(日)15:00~17:00

料金:2,000

会場:ヒーリング・ルージュ 東京都国立市中1-4-4
JR国立駅より徒歩5 国立駅南口を出て、SEIYU前を立川方面に直進。国立公民館向かい)

 

テキストの準備がありますのでご参加希望の方は事前のご予約をお願いいたします。

ご予約/お問い合わせ
 info@noguchiizumi.com
 080-4206-0392

『遊働する身体』第4号発売中!

『遊働する身体』第4号が発売となりました

昨年のオイリュトミー公演『おしごとは呼吸すること』のインタヴュー記事掲載の
「遊働する身体」第4号が発売されました。ご自身も気功を研究されている西田隆重さんが編集発行人となって出版している季刊誌です。

corvusのお二人、鯨井謙太郒さん・定方まことさんによる『時代 社会 身体』と題した17ページに渡るダイアローグも掲載。

内容
  • 特集1 ユング心理学と「易」、そして気功

    ユング心理学と「易」、そして気功 定方昭夫 (←定方まことさん父) 
    「変化の哲理」ー『易』 星野稔 
    「易」と気功 山部嘉彦
    『「易」心理学入門』を読んで 西田隆重
    「気功で元気に!」ー養生学講座と実技ー 藤沢市気功養生学研究会
    「気功的死に方」をめぐって 濱野清志特集2   オイリュトミー・日本の現在

    対話『時代 社会 身体』 鯨井謙太郒 定方まこと
    「おしごとは呼吸すること」 野口泉
    「いろは歌」のオイリュトミー 吉野一恵
    「黄道十二宮と惑星のオイリュトミー」 樋原裕子連載:シュタイナーから読み解く宮沢賢治 第4回 「宮沢賢治ー星曼荼羅の宇宙」
  • 定価 1,000円(税込)
アマゾンからもご注文いただけます

オイリュトミーの現在Vol.6

ペルセパッサ・オイリュトミー団 アトリエ公演
「オイリュトミーの現在Vol.6」

8月24日の金曜日、ペルセパッサ・オイリュトミー団のアトリエ公演に参加します。

今回はベートーヴェンの「ピアノソナタ25番第2楽章」と、去年、こうもりクラブの『おしごとは呼吸すること』公演で3人の群舞で発表した曲(難曲…)をデュオ編成で踊ります。

各回定員30名となっておりますので、ご来場の際はご予約くださった方が安心です。

 

注意:

開場のKFまちかどホールにはお手洗いがありません!

お手洗いは、お隣のくにたち野菜と地域食材の店『とれたの内、またそのおとなりのカフェ『ここたのでご利用いただけます。

どちらも素敵なお店ですのでご来場の際はぜひお寄りください。
私も通りかかったら野菜を買います。
そして、お時間に余裕があれば谷保駅の南まで足を伸ばしてやぼろじ』までお散歩するのもおすすめです!こちらにも素敵なカフェがあります。
ペルセパッサ・オイリュトミー団 アトリエ公演
「オイリュトミーの現在Vol.6」

日時: 8月24日(金)16:00 /  19:30 (開場は開演の30分前)

場所: KFまちかどホール 地図はこちらをクリック

入場料: 前売り/当日ともに2,500円(高校生以下2,000円)

 

ご予約・お問い合わせ
persejapan@gmail.com
080-5877-6887 (ペルセパッサ・オイリュトミー団)
・定員になり次第締め切りとさせていただきます
・未就学児の入場はご遠慮くださいませ

「オンブレ」エルモア・レナード新刊! 

こんにちはオイリュトミスト野口泉です。

映画『ゲット・ショーティ』や『ジャッキー・ブラウン』(原作は『ラム・パンチ』)の原作者として有名なエルモア・レナードの最新刊「オンブレ」を読んだので紹介します。

 

“伝説の男”を伝聞形式で語る神話的西部劇

幼少期にさらわれてアパッチ族に育てられた“伝説の男”「オンブレ」

オンブレとは「男(man)」という意味のスペイン語だ。黒い肌にブルーの瞳、一見白人のようだがアパッチ族の砂漠で生き抜く術も心得た孤高の主人公が、灼熱の荒野で悪党たちと息詰まる死闘を繰り広げる…

エルモア・レナードの犯罪小説を読んだことがある人は多いと思いますが、初期に西部劇を書いていたとは知る由もありませんでした。なんとそんな初期傑作二作品がこの度出版されたのです。書店で見つけて即購入しました。

訳は村上春樹さんです。

 

肉体的な極限状態で人がどのような態度をとるのか

この小説ではさまざまな背景の人物がマッドワゴン(いわゆる駅馬車)に乗り合わせます。

御者、17歳の少女、インディアン管理官夫妻、荒くれ者、そして語り部である青年と“男”(オンブレ)。この青年がオンブレとの出会いからことの次第を回想する、という形で物語は進んでいきます。

水を巡る攻防戦

灼熱の砂漠においても、オンブレはアパッチ・インディアンの中で育っているので、消耗しない水の飲み方を知っている。また砂漠を歩かねばならない時は一人だけカウボーイブーツを脱いで、見たこともないようなモカシンに履き替える。

そういった描写の端々がオンブレの人物像を浮かび上がらせます。

今期の猛暑、外を歩いてクラクラしながら、つい「オンブレならこんな時どうしただろうか」「水道が民営化されてと考えてしまいます。

 

どんな時でも孤独で冷静

物語が進むにつれ、マッドワゴンに乗り合わせた全員にそれぞれの精神的な極限状態が訪れます。

そんな中でオンブレは徹底的に孤独であり、思想的にも行動的にも自分だけのルールに従ってブレません。

なぜそんなに冷静でいられるのか。

人間を超えた透徹した冷たさ、それは感情という要素をそぎ落とさずには生きてこられなかったオンブレの半生を想像させます。

そんな生命の本質だけが冷たく輝いているような孤高の存在であるオンブレの壮絶な生い立ちが語られるでもなく語られます。レナードは語らずに匂わせることが最高に上手い作家です。

ネタバレになるので詳しくは書けないのですが、こういう人物がいる(小説の中だけど)のなら生きていける、もう少し頑張れる、そう思わせる主人公像を創作したレナードはすごい。脱帽というしかありません。

 

むき出しの欲望

そしてこの小説に出てくる悪役は本当に悪い。想像を絶するワルさです。でもそれがいい。ギリシャ神話なみにすべての登場人物のキャラが立ってます。

また人種差別が普遍的な人間の問題として淡々と描かれている。そこに説教くささや押し付けは一切ない。ただ特異な生い立ちを持つ一人の男が見る世界がそのまま綴られる。

欺瞞、裏切り、さげすみ、あらゆるみじめさ、うしろめたさを抱えた登場人物たちは、砂漠を生き抜くために彼を指針とするしかない。

そしてついに訪れる究極の選択のとき…!

文句無しにおもしろいので夏に読書したいと思っている人には絶対的におすすめします!

 

まとめ

犯罪小説家として有名なエルモア・レナード(1925-2013)の初期傑作作品集。エルモア・レナードは小学校5年生の時から芝居の台本を書いていたらしい。

村上春樹訳である。

人間の極限状態が描かれている西部劇。

御者メンデスのセリフがかっこいい。

現代人にとって新鮮な感覚で読める内容。

 

 

こちらもおすすめ

古本屋さんで見つけたら即ゲットして間違いなし!