停滞と移動

ちょうど十年住んだ部屋。

ここで十年間を過ごしたことが信じられない。

その間、私はいくつか仕事を変わり、夜はほぼ稽古という日々。

2011年の東日本大震災はその中でも大きい出来事だった。

震災前、すぐそこの通りを歩いていたときの身体感覚を覚えている。

ただひたすらぼんやりしていた。

所与のものをただあたりまえの権利として、否、権利としてさえ認識しないままに受け取り、疑問も感謝の念も持つことのない無関心さ、あるいは天真爛漫さ。

未来への漠然とした欲求、そしてその欲求が漠然としていることへの不安。

自分とも他者とも関係性が薄く、己の傲慢さにすら鈍感。

それを恥ずかしく思えるくらいには成長したのかもしれない。

投稿者: izumi noguchi

野口泉 オイリュトミスト 武蔵野美術大学映像学科卒。 2002年より舞踏家笠井叡に師事、オイリュトミーを学ぶ。オイリュトミーシューレ天使館第三期及び舞台活動専門クラスを経て、愛知万博「UZUME」(2005)「高橋悠治演奏「フーガの技法とオイリュトミー」(2008、2010)、「ハヤサスラヒメ」(2012)、「蝶たちのコロナ」(2013、2014)、「毒と劔」(2015) など様々な公演に出演。放射能からいのちを守る山梨ネットワークいのち・むすびばとの共同公演「アシタノクニ」や、仙台・月のピトゥリとの人形劇(正確には”にんぎゃうじゃうるり”)「きつねおくさまの!ごけっこん」(2014)、シュタイナー農法研究会(「種まきカレンダーを読み解く」2014)などを開催。近年はシュタイナー系の幼稚園で幼児教育に関わる。また各地でオイリュトミーワークショップを行う。オイリュトミーに関わるイベントを企画する「レムニスカート」を主宰。 izumi noguchi のすべての投稿を表示