濃厚接触者になる

 先日のことだが、思いがけず濃厚接触者という立場を経験した。

 不特定多数の人が集まる打ち合わせに参加した折、その中の一人が数日後に新型コロナの感染が分かり、芋づる式に私のところにも保健所から連絡が来た。(こういう場合は自費ではなく、公費でPCR検査を受けることにる。)

会合のあった日は飲食も行われた。比較的長い時間、感染者と同じ部屋で会話をしていても濃厚感染者とはならないが、感染者と同じ皿から食べ物を食べた場合、濃厚接触者と認定されるようである。

 私が受けたPCR検査は市の保健所に午後3時〜4時までの間に検査キットを取りに行き、翌日の朝一番の唾液を採取して朝9時半〜10時までの間に窓口に提出するというものだった。係員が一人で対応してくれる。大変ストレスのかかる仕事である。
 
 私の場合は自宅から歩いて行ける場所に保健所があったため歩いて行ったが、特に電車やバスなどの公共交通機関を使わないように、とは言われなかった。具合が悪く歩けない人はどうするのだろう?

 翌日の夜7時頃、保健所から電話があり、陰性とのこと。

 仕事先の施設が私のPCR検査の結果待ちで休業してくれていたこともあり、ほっと胸を撫で下ろした。即刻連絡を入れ、翌日から事業再開されることとなり、とりあえずは一安心、ほっと胸を撫で下ろした。

 今回、濃厚接触当事者を経験することで、PCR検査について、感染症というものについて改めて勉強せざるを得なくなり、その意味では良い経験だった。
 PCR検査というもの一つとってみても、あまりにも様々な立場の人たちがいる。
ともすると見解の違いから対立を生みやすいが、反対にきめ細やかな対話が生まれる機会とすることもできる。気を付けていたとしても、おそらく今後もこういうことが増えてくるだろう。
その時々の状況の中で最善のコミュニケーションが取れるようにしていきたい。

投稿者: izumi noguchi

野口泉 オイリュトミスト 武蔵野美術大学映像学科卒。 2002年より舞踏家笠井叡に師事、オイリュトミーを学ぶ。オイリュトミーシューレ天使館第三期及び舞台活動専門クラスを経て、愛知万博「UZUME」(2005)「高橋悠治演奏「フーガの技法とオイリュトミー」(2008、2010)、「ハヤサスラヒメ」(2012)、「蝶たちのコロナ」(2013、2014)、「毒と劔」(2015) など様々な公演に出演。放射能からいのちを守る山梨ネットワークいのち・むすびばとの共同公演「アシタノクニ」や、仙台・月のピトゥリとの人形劇(正確には”にんぎゃうじゃうるり”)「きつねおくさまの!ごけっこん」(2014)、シュタイナー農法研究会(「種まきカレンダーを読み解く」2014)などを開催。近年はシュタイナー系の幼稚園で幼児教育に関わる。また各地でオイリュトミーワークショップを行う。オイリュトミーに関わるイベントを企画する「レムニスカート」を主宰。