クラウドファンドがはじまりました

今年のはじめから準備を進めてきたクラウドファンドが8月11日から始まっています。
このプロジェクトページの中核になる父の死の記述部分は5月半ばに書き終えました。

あまりに個人的な内容なので、受け取る人が当惑するのではないか、と当初は心配でした。

ですが記事を添削してくれている友人や家族の支えもあり、エモーショナルになりすぎた部分は冷静に削り、最終的にすっきりと読んでいただけるようになったと思います。

親身に付き合ってくれた友人と家族にまずは心から感謝します。そしてこのページを読んでくださった方々、支援してくださった方々が送ってくださるメッセージに毎回、涙しています。一つ一つの反応が本当に私にとってはありがたく、この言葉をいただいたことに責任をもたなければ、と身が引き締まります。

メッセージを読むうちに、やはり悲しみというものは消えるものではないことを実感しました。普段は自分の中のどこかの部屋にしまいこまれている悲しみをこの文章がえぐり出してしまうことに一抹の罪悪感を感じつつも、この作業を行うことが自分にとってのグリーフケアの一つであったようにも今は感じています。

「グリーフ」とは【悲嘆】の意味です。近親者との死別など、世界観が変わるほどの悲しみから、どうにかして通常の状態へ戻ってくること。本当に小さな子どもが親を亡くしたような場合、周囲の大人の繊細なケアが必要なことは想像に難くありません。多くの場合、時間がそれを手伝います。

父の死から5年が経ち、とっくに私は悲しみを克服したのだ、と思い込んでいましたが、そんなことはなかったことに私自身が驚きました。あいまいで、なんとなく避けていた悲しみを文章にして客観的に見ること、さらにそれを人にシェアし、さまざまな方の悲しみについての考えをうかがい知ることが、自分にとってのグリーフケアになっているのかもしれません。

 

クラウドファンドは10月11日まで実施し、目標金額は70万円。集まった資金は、アスベスト最新情報掲載サイト制作資金、オイリュトミー公演『おしごとは呼吸すること』上演費用として使用させていただきます。

ぜひこの記事をお読みいただければと思います。そしてもし賛同していただけましたら情報の拡散を、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

投稿者: izumi noguchi

野口泉 オイリュトミスト 武蔵野美術大学映像学科卒。 2002年より舞踏家笠井叡に師事、オイリュトミーを学ぶ。オイリュトミーシューレ天使館第三期及び舞台活動専門クラスを経て、愛知万博「UZUME」(2005)「高橋悠治演奏「フーガの技法とオイリュトミー」(2008、2010)、「ハヤサスラヒメ」(2012)、「蝶たちのコロナ」(2013、2014)、「毒と劔」(2015) など様々な公演に出演。放射能からいのちを守る山梨ネットワークいのち・むすびばとの共同公演「アシタノクニ」や、仙台・月のピトゥリとの人形劇(正確には”にんぎゃうじゃうるり”)「きつねおくさまの!ごけっこん」(2014)、シュタイナー農法研究会(「種まきカレンダーを読み解く」2014)などを開催。近年はシュタイナー系の幼稚園で幼児教育に関わる。また各地でオイリュトミーワークショップを行う。オイリュトミーに関わるイベントを企画する「レムニスカート」を主宰。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください