先日、神田のtetokaにて行われたTOJUさんと石田尚志さんのトークショウに行ってきました。(司会は演出家の生西康典さん)
TOJU ( 画家 ) × 石田尚志 ( 画家/映像作家 )× 生西康典(演出家)
石田さんは3年前、生西さんからTOJUさんのことを聞いたそうです。「是非見て欲しい作家がいる」と興奮する生西さんの話を聞いてから、この日、初めてTOJUさんとお会いになったそうです。
(2013年の、生西さんとTOJUさんとの出会いはこちらに書かれています。→【1/29】合同公開授業(実作講座「演劇 似て非なるもの」+絵と美と画と術)『画家TOJUさんに聞く』「TOJUさんのこと」http://bigakko.jp/event/2016/toju)
こじんまりと居心地の良いスペースで膝を突き合わせてのアットホームなトークは2時間ほども続きました。
自分は「絵を描かないとダメな人間、絵を描かないとわかったって気持ちにならない。自信を持って物が言えない人間」であるとおっしゃるTOJUさん。
18歳で東京が息苦しくてしょうがなく沖縄へ移動したという石田さん。その後東京へ戻られてからは、東京のなかで自然を探そうと思ったそうです。
TOJUさんは23歳で東京で生活するのが嫌になり仙台へと移住、都市と自然が混在する仙台という土地で創作活動を続けられました。
TOJUさんの膨大な創作ファイルをひもときながら、都市と自然、記憶と行為、直線と曲線、円と四角の関係など、数え切れない興味深いお話が万華鏡のように飛び出します。
たとえば、
・焼きとうもろこしをかじりながら滝を見たときの音体験(!)
・粘土の造形とタルコフスキー作品におけるミニチュア
・お二人が「画家」を名乗るようになった経緯
など、
お互いが共鳴、増幅し合うような刺激的なやりとりが続きました。
呼吸形態についてや、ブランクーシの作品「無限柱」と水の造形に関わるお話など、特に印象的でした。
TOJUさんの「タバコを吸い続けてきた人間が吸うのをやめちゃうと外部とひとつになれない」という、ある意味喫煙者の言い訳のような発言も、作品を前にすると何か心に深く響きます。
あいちトリエンナーレで上映された石田さんの最新作の投影も少しだけ見ることができました。
TOJUさんの「空間儀」とのコラボレーション。石田さんの、バッハの「フーガの技法」を視覚化した作品、是非見てみたい!
石田さんによるTOJUさんの作品への深い洞察がすばらしく、作品は読み解かれるのを待っているんだなと思いました。この日のトークを聞けたことは私にとっても大きな体験でした。
TOJUさんは会期中の週末は在廊されるようです。行かれる方は是非、TOJUさんのお話にも耳を傾けられることをおすすめします。
(全ての写真撮影:梨乃さん)
今年の初めに美学校で行われたイベントのレポートにもTOJUさんの作品世界を伺うことが出来ます。ご興味のある方はぜひ合わせてお読みください。
【レポート】合同公開授業(実作講座「演劇 似て非なるもの」+絵と美と画と術)『画家TOJUさんに聞く』
http://bigakko.jp/blog/report/toju
今後のイベント
(ポエトリー・リーディング&トークショー)
TOJU ( 画家 ) × 暁方ミセイ( 詩人 )
日時:10月22日(土)19:00開演(18:30開場)
料金:1500円( 1ドリンク付 )
暁方ミセイ(あけがたみせい)
1988年、神奈川県横浜市生まれ。幼い頃より、自然に触れ詩を書き始める。2010年、第48回現代詩手帖賞。2011年、第一詩集『ウイルスちゃん』を上梓、翌年、同作で第17回中原中也賞。2013年には処女小説「青い花」を『文藝』に発表。その他の著書に、『宇宙船とベイビー』(マイナビ)、『ブルーサンダー』(思潮社)、連詩集『地形と気象』(左右社)がある。
TOJU 「 RITUAL AND SHAPE FOR SPACE 」展
10月1日(土)~10月23日(日)
会場:TETOKA
東京都千代田区神田司町2-16 楽道庵1F
営業時間:16:00-23:00
休廊日:水曜日
イベントのある日は営業時間が変更となる場合がございます。
TETOKAホームページをご確認下さい。
http://tetoka.jp/archives/category/events
Tel: 03-5577-5309
観覧料: 1ドリンクご注文制